おおさかナウ

2019年08月11日

「慰安婦問題はデマ」
松井維新代表が暴言 歴史の真実歪める

松井大阪市長

松井大阪市長

 愛知県内で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展の一つで、「慰安婦」を象徴する「平和の少女像」が展示されていた「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた問題で、大阪維新の会代表の松井一郎大阪市長が5日、「慰安婦の問題というのは完全なデマ」と暴言を行い、「デマの象徴の慰安婦像を行政が主催する展示会で展示するべきものではない」などと語りました。大阪市役所内で記者団に語ったもの。
 芸術祭は1日開幕しましたが、名古屋市の河村たかし市長が少女像について、「日本の国民の心を踏みにじるもの」などとして、芸術祭実行委員会会長の大村秀章・愛知県知事に即刻中止を要求。企画展が報道された7月31日以降、テロ予告や強迫の電話やメールが相次ぐ中、3日限りで中止に追い込まれました。
 松井氏は2日、記者団に対し、インターネットで展示内容を知って河村市長に教え、視察した同市長が「これ駄目なんじゃないのという判断をしていると思う」と明かしていました。その場で松井氏は「日本の軍だけが慰安婦制度をやっていたわけではない」「われわれの先祖があまりにもけだもの的に扱われるような展示物を、日本国民の税で展示されることは違うと思う」などと語っています。
 大村知事は5日、河村市長が企画展の中止を求めたことに関して、「公権力を行使する人が『これはいい、これは悪い』というのは検閲行為。憲法違反の疑いが濃厚」と批判。ところが松井氏は同日、大村知事が展示内容を「もっと精査するべきだった」と、「検閲」を当然視する発言もしています。

被害女性の尊厳を蹂躙・無視

 「慰安婦」問題では13年5月、日本維新の会の橋下徹共同代表・大阪市長(いずれも当時)が「慰安婦は必要だった」との暴言を行い、内外から厳しい批判を浴びました。当時府知事だった松井氏は「(慰安婦は)現実にあったわけで必要とされていた」と暴言を追認し擁護しました。今回の一連の暴言は、人権を根本からじゅうりんされ、人間の尊厳そのものを冒された女性たちの被害を、まったく無視するものです。


(大阪民主新報、2019年8月11日・18日合併号より)

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