おおさかナウ

2019年09月08日

都市農業守る府政に
大阪農民連が府と交渉

 農民組合大阪府連合会(大阪農民連=田中豊会長)は8月29日、大阪市住之江区の大阪府咲洲庁舎で、都市農業振興や新規就農支援、獣害対策と種子法廃止後の対応などの課題について大阪府と交渉しました。農民連は田中会長、佐保庚生副会長、中西顕治事務局長はじめ阪南、泉佐野、枚方、高槻など府内の生産者が参加しました。

家族農業支援する施策を

 冒頭のあいさつで田中会長は、今年スタートした国連「家族農業の10年」の理念を取り上げ、食の営みの基本である家族農業の重要性を指摘。農業従事者の高齢化や耕作放棄地など山積する課題に触れ、「家族農業を支援する施策の推進を」と述べました。

廃止の種子法と同趣旨の条例を

 農民連の要望事項は、▽都市農業振興基本法に基づく「市町村計画」策定への支援▽新規就農者への農地確保援助、府独自の支援策実現▽学校給食の地場産農畜産物の利用率向上――など20項目。廃止された種子法をめぐり、府の水稲採種事業について原種・原原種の保持、適正品種普及に向けた調査研究の継続、種子法と同趣旨の条例制定などを求めました。
 要望に対する回答で府側は、府内農業経営体のうち家族経営は9割以上を占めるとし、「都市農業における家族農業は重要と認識している」と回答。種子法廃止後の対応に関しては、新たに「水稲採種事業に係る要領」を制定したと説明。「水稲種子の安定供給と品質確保に努める」としました。

大阪府として独自の農業支援を

小規模・家族経営の振興など農業施策の拡充をと交渉する農家ら=8月29日、大阪市住之江区内

小規模・家族経営の振興など農業施策の拡充をと交渉する農家ら=8月29日、大阪市住之江区内

 参加者から、「国の新規就農支援制度はハードルが高い。府として独自の支援策を」「学校給食への府内農産物利用へ目標を設けて促進を」などと要望しました。
 また、化学農薬と肥料を地域「慣行レベル」の5割以下に抑える「特別栽培農産物」の認定制度をめぐり、レタス、イチゴ、ジャガイモなどについて、生産現場の実態に合わない回数設定であることを指摘しました。府側は「各品目ごとに肥料や農薬の使用実態を調査し、見直したい」と答えました。
 各地域からの要望として、耕作放棄地対策の助成制度実現、棚田地域を有する自治体との協議や振興活動の促進――などを求めました。
 交渉には日本共産党の石川多枝府議も同席しました。

(大阪民主新報、2019年9月8日号より)

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