2019年09月22日
清水忠史の国会レポート
「記憶にございません!」を観て
映画「記憶にございません!」を観ました。中井貴一扮する史上最低の総理大臣が、聴衆からの投石により頭を強打、記憶を失いながらも、その事実を隠しながら執権を取り続けるという奇想天外なコメディです。傲慢で、嘘つきで、国民の声を聞かないという、記憶を失う前のキャラクターは、この国の総理とも重なって見えました。
「官房機密費」、「巨大プロジェクト」、「政治献金」、「消費税増税」などのキーワードも出てきて、政治映画としてもリアリティを感じることができます。記憶を無くしてからの中井貴一が、国民の声に応えようと、圧力をはねのけ、前向きに政治に取り組む姿勢には多くのひとが好感を持てたのではないでしょうか。
現実の総理である安倍晋三氏は、自らを立法府の長(正確には行政府の長)と呼び、森羅万象を司る存在とも発言しました。独裁者気取りです。これだけ多くの国民が消費税増税に反対し、改憲を望んでいなくても、数の力で押し切ろうと野望を燃やしているからです。次の総選挙で一気に打倒して、国民の立場に立った新しい野党の連合政権をつくりたい。そのためにも日本共産党自身が大きく強い党になることが求められていると考えます。
れいわ新選組の山本太郎代表と志位和夫委員長が会談し、連合政権に向けて協力していくことを確認しました。中井貴一扮する総理のように、米国や財界との癒着を断ち切り、国民のためにひたむきに頑張る総理大臣が、この国に誕生する日は、意外とそう遠くないかもしれません。(しみず・ただし 日本共産党衆院議員 毎月第1週に掲載)
(大阪民主新報、2019年9月22日号より)