大阪市議会 カジノ誘致へ補正予算可決
ルール違反の〝特別待遇〟
共産・井上浩議員が反対
大阪市議会は9日の本会議で、カジノを核とした統合型リゾート(IR)を大阪湾の埋め立て地・夢洲で開業するための環境アセスメントに係る現況調査を府市が前倒しで肩代わりする費用などを盛り込んだ補正予算案を、日本共産党以外の賛成多数で可決しました。
日本共産党の井上浩議員は反対討論で、IRの事業化に向けた環境アセスメントは、本来事業者の選定後に、事業者自らの責任で実施するものであり、行政が公金を建替えて実施すべきものではないと強調しました。
井上氏は、「住民合意も形成されておらず、IR誘致について国の基本計画すら策定されていない段階で実施するのは言語道断だ」と批判。「ルールを逸脱した現況調査には、公平性や客観性も担保されず、IRへの前のめりの特別待遇の公金支出は断じて認められない」と主張しました。
消費税増税に伴うマイナンバーカードを活用した消費活性化策について、普及率わずか14%の同カードの所持者しか利用できず、国の準備不足は明白で、個人情報の流出への備えなど安全対策にも不備があると指摘。「消費税増税で国民に5・7兆円の負担を押し付けながら、消費の落ち込みを回避する対策を講じなければならないこと自体、本末転倒だ」と述べました。
また市営住宅維持管理業務への指定管理者制度の導入について、「住民の安全・安心の確保ではなく、管理経費の縮減が目的だ」と指摘。「住民の高齢化や貧困化で、管理運営上の課題が生じ、行政によるきめ細かい対応が求められている。この時に指定管理者制度を導入することは、住民の生活安定と社会福祉の増進に逆行するものだ」と反対しました。
災害時避難所となる中学校体育館への空調機設置の実施設計、消防自動車の更新整備などには賛成しました。
(大阪民主新報、2019年10月20日号より)