カジノ誘致はリスクだらけ
夢洲の無謀な開発はやめよ
大阪市議会決算委 井上浩議員が力説
2018年度の大阪市の公営・準公営企業会計決算を審議する大阪市議会決算特別委員会が16日開かれ、日本共産党の井上浩議員は、カジノを核とする統合型リゾート(IR)の誘致のために大阪湾の埋め立て地・夢洲で計画されているインフラ整備など、一連の問題点について質問し、「リスクだらけのカジノや、無謀な夢洲開発はやめるべき」と主張しました。
井上氏は、夢洲関連のインフラ整備費用954億円のうち、港営事業会計の負担が557億円と非常に大きいと指摘しました。橋下市政時代の2015年にカジノ構想が浮上して以降、夢洲の土地売却を凍結したが、それまでは売却は順調だったと述べました。
井上氏は、夢洲の埋め立てなどの総事業費は3449億円で、国際コンテナ貨物中心の物流基地として土地を売却し、起債償還に充てるのが当初の計画だったが、カジノ誘致で償還する方向に大転換したと指摘。IRが立地せず売却も賃貸もできない場合や、賃貸契約を結んでもIR事業者が撤退して賃料収入が得られなくなった場合、大阪港埋め立て事業にどのような影響が出るかをただしました。
市は「最悪の場合、資金ショートを引き起こす可能性は否定できない」と答弁すると同時に、「大阪にふさわしい国際観光拠点となるよう、事業者の誘致に取り組む」などとIR誘致に固執。井上氏は、港営企業会計を安定させるには、物流業者に売却する方が有利なのは明らかだとし、「夢洲の最善の土地利用は、廃棄物処分地と物流基地だ」と強調しました。
さらに井上氏は、夢洲の上下水道の施設整備について質問。排水管の整備などに126億円、下水管の新設などで106億円もの事業費を大阪市が負担することになっているが、夢洲を物流拠点として活用するという本来の計画のままなら、必要ないものだと指摘。「人の住まない所(夢洲)ではなく、人の住んでいる所の下水管、上水管の耐震化こそ急ぐべき」と強く求めました。
(大阪民主新報、2019年10月27日号より)