2019年11月10日
大門実紀史の国会レポート
消費税は何のために創設されたか
10月16日の参議院予算委員会で安倍首相に対し、景気が悪化するもとで消費税を10%へ増税したことは経済の自滅行為だと厳しく指摘しました。
どういうわけか安倍さんは、いつものように自分に都合のいい統計数字あげて反論することもなく、「色々対策を取っています」と官僚の書いた答弁書をただうつむいて読むだけでした。経済の冷え込みを目の当たりにし、増税を強行したことを少し後悔しているようにも見えました。麻生財務大臣にいたっては、消費税増税の提案者にもかかわらず、私の話に何度もうなずいていました。
景気がさらに落ち込むのは誰の目にも明らかなのに、なぜ増税を強行したのか。参議院選挙の前、安倍さんの側近である自民党幹部が私に「3回目の増税延期は経団連が許さなかった」と漏らしたことがあります。
そもそも消費税が導入された目的は、予算委員会でも指摘したように社会保障のためでも財政再建のためでもなく、法人税減税と所得税減税(最高税率の引き下げなど)の代替財源にするためでした。それを強く求めていたのが当時の経団連でした。国会図書館で見つけた今から33年前、1986年9月の経団連の税制改革要望書には、その要求が露骨に書かれています。そのあと実際に89年に消費税が創設され、今日まで消費税収は法人税・所得税の税収減の穴埋めに使われていったのです。
消費税の廃止・減税をめざすたたかいは、まさに財界いいなり政治を打破するたたかいです。(だいもん・みきし 参院議員 第2週掲載)
(大阪民主新報、2019年11月10日号より)