おおさかナウ

2019年12月01日

安倍改憲を阻止して
新しい政治を開こう
大阪憲法会議・共同センター 秋の憲法大学習会開く

 大阪憲法会議・共同センターが11月23日、大阪市中央区内で「秋の憲法大学習会」を開き、会場いっぱいの340人が参加しました。九条の会事務局長で東京大学名誉教授の小森陽一さんが「新たな情勢の下での改憲阻止の展望」と題して講演。9条改憲の動きを加速する安倍政権に対して、衆院憲法審査会で野党が結束してたたかうなど緊迫した局面の中、安倍9条改憲に反対する「3千万人署名」を集め切ることをはじめ、あらゆる改憲策動を許さない世論と運動を大阪でも広める決意を固め合いました。

340人が参加した大阪憲法会議・共同センターの「秋の憲法大学習会」=11月23日、大阪市中央区内

340人が参加した大阪憲法会議・共同センターの「秋の憲法大学習会」=11月23日、大阪市中央区内

3千万人署名達成へ大阪200万人必ず

 集会では大阪憲法会議幹事長の丹羽徹・龍谷大学教授が開会あいさつ。日本共産党の清水忠史衆院議員が、安倍首相主催の「桜を見る会」の私物化疑惑や、米国言いなりの日米貿易協定、憲法審査会を巡る与野党の攻防などを詳しく報告しました。
 活動交流では、河内長野九条の会の三橋永一さんが、南海高野線三日市駅前で毎月1回(9日か19日)の署名・宣伝行動を06年から13年間続けている経験を紹介し、「これからが正念場。点(駅前)から面(地域)へ運動を展開したい」と語りました。
 12区市民連合(寝屋川・大東・四條畷各市)で活動する加藤昌孝さんは、市民と野党の共闘をさらに発展させるため、市民アピールの賛同運動を広げていることを報告。「『野党共闘から野党連合政権へ』をスローガンに、声を上げていく」と話しました。
 行動提起した大阪憲法会議・共同センターの山田憲治事務局長は、3千万署名の大阪での到達は181万4097人と報告。年内に200万人の目標を達成し、来年2月以降は新たに提起される「2020年新署名」(仮称)の取り組みに移り、運動の出発点として学習決起集会(来年2月2日)を開くことを提案しました。さらに、おおさか総がかり行動実行委員会が開く緊急集会への参加を呼び掛けました。

12月3日に緊急集会・デモ

「桜を見る会」私物化を許さない!安倍政治を終わらせよう12・3緊急集会 12月3日(火)午後6時半から大阪市西区の新阿波座公園で集会を開いた後、難波までデモ行進。会場へは地下鉄本町駅下車、23番出口から徒歩。問い合わせ06・6352・2923大阪憲法会議・共同センター。

九条の会事務局長
小森陽一さんが講演
署名通じ草の根で対話を広げよう

安倍改憲勢力と共闘の力が激突

 「安倍政権に対して国民の大きな怒りと批判が渦巻き始めています」と切り出した小森氏。そのきっかけは、憲法公布の日である11月3日に全国各地で、安倍9条改憲は絶対に許せないと取り組まれた行動だと述べました。
 7月の参院選で改憲勢力が3分の2を割り込んだのは、市民と野党の共闘、草の根の運動の力だと指摘。それでも改憲に突き進む安倍政権と、市民と野党の共闘の力が激突しており、「いまの局面の中で、安倍改憲の狙いと危険性を市民が共有するために、3千万人署名を通じて草の根で対話を広げることが重要だ」と語りました。

九条の会が全国に広がり変化が

 小森氏は、小泉政権(2001~06年)以来の自衛隊海外派兵や改憲の動き、第1次安倍政権(06~07年)が強行した教育基本法改悪と、これらに立ち向かった国民のたたかいの広がりや世論について、詳しく振り返りました。
 自衛隊がイラクに派兵された2004年当時の「読売」の世論調査では65%が「憲法を変えたほうがいい」と回答していたと指摘。これに対して同年に結成された九条の会が、全国の地域・職場・学園に3千を越えて広がる中で、07年の参院選で自民党が敗北して第1次安倍政権が崩壊し、08年の「読売」の世論調査では「憲法を変えないほうがいい」という回答が多数派になったと語りました。

安倍9条改憲の危険性を知らせ

 講演する九条の会事務局長の小森陽一さん=11月23日、大阪市中央区内

講演する九条の会事務局長の小森陽一さん=11月23日、大阪市中央区内

 小森氏は、17年以降に安倍政権が狙っている「9条加憲論」に言及。安倍首相は9条1項・2項を残し、「自衛隊を憲法に書き込むだけ」というが、書き込まれるのは2015年に強行された安保法制(戦争法)によって、米軍と一緒に海外で戦争ができるようになった自衛隊であり、ここに危険性があると強調しました。
 3千万人署名の意義について触れた小森氏は、安保法制廃止を求める2千万人署名は1560万人分が国会に提出され、17年の衆院選で安倍改憲に反対する各野党の得票の合計は1720万票だったと指摘。「『3千万』という数字は、いつ・どんな選挙があっても、憲法を守り、自衛隊を『海外で殺し・殺される組織』にしないと思う人たちが勝利できる数。そこまで対話を広げ、署名してもらうことが重要です。あらためて立ち上がって、共に運動を進めましょう」と締めくくりました。

(大阪民主新報、2019年12月1日号より)

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