おおさかナウ

2019年12月08日

未来への約束 各国は果たせ
地球温暖化 緊急対策を
COP25始まる 気候変動マーチ各地で

各国政府に地球温暖化対策をとアピールするマーチ参加者=11月29日、大阪市北区内

各国政府に地球温暖化対策をとアピールするマーチ参加者=11月29日、大阪市北区内

 後戻りのできない危機への対応を願う市民社会の熱い注目の中、12月2日、地球温暖化の対策を話し合う国際会議、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が、スペインの首都マドリードで始まりました。COP25を前にした11月29日、世界各地で地球温暖化への緊急対策を求める「グローバル気候マーチ」が取り組まれました。大阪では、大阪市北区の中之島公会堂前の広場で、「FRIDAYS FOR FUTURE OSAKA」(未来のための金曜日 大阪)の呼び掛けで、パレードが実施されました。気候変動と地球的規模での生物絶滅や自然災害に危機感を抱く市民ら約200人が参加し、手作りのプラカードを手に「地球に住めへん、そんなん嫌」「無くそう無くそう石炭火力」などとアピールしました。

200人が大阪市内をマーチ

世界中の若者が共感・支持

 「グローバル気候マーチ」は、スウェーデンの高校生で環境活動家のグレタ・トゥンベリさん(16)が毎週金曜日にたった1人で始めた気候変動対策の強化を求める「学校ストライキ」に世界中の若者が共感、「FRIDAYS FOR FUTURE」(未来のための金曜日)として、世界各地で運動が広がっています。
 「FRIDAYS FOR FUTURE OSAKA」は、大阪の大学生を中心に「地球の未来を守るために自分たちが声を上げよう」と発足。9月20日に初めてマーチを行いました。

不十分な目標の日本に批判

 2015年に採択され196カ国が参加する、20年以降の地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の運用開始を来年に控え、COP25では温室効果ガス排出削減への新たな仕組みづくりなど、気候変動対策への機運が高まるかどうかが最大の焦点となります。
 196カ国が参加する「パリ協定」を巡っては、離脱を通告したアメリカに対して、市民社会の批判が強まっています。
 日本政府は、2030年までに26%削減(13年比)の目標を掲げていますが、不十分だと指摘されています。それに加えて日本政府は、主要7カ国で唯一、石炭火力を推進しています。現在計画中の石炭火力発電所がすべて建設されれば、その不十分な目標さえ達成できない可能性もあります。
 COP25では石炭火力発電を議題にしませんが、石炭火力発電の廃止を求める国際世論の高まりの中、日本政府に国際社会は厳しいまなざしを向けています。

世界中の人々が手つないで

気候マーチ集会minpou 大阪での行動を呼び掛けたメンバーは9月以降、ツイッターなどのSNSで活動内容を発信するとともに、気候変動問題に対する市民意見を公募してきました。これまでに「最も重要な課題は地球の温暖化と気候変動に対する人類の努力」、「生物多様性を維持した地球環境を後の世代に残すこと」などのメッセージが寄せられているといいます。
 パレードに先立って、集会を開き、メンバーの小林誠道さんは、「私たちは少数派ではない。海を越えて地球のすみずみで、この素晴らしい環境を守ろうと願う人たちが手をつないでいます。具体的な対策を政府と自治体に求めていきたい」と語りました。
 気候変動マーチには、日本共産党の渡部結・国政対策委員長が参加しました。

多くの人に伝えたい 友人誘いたい
参加者の声

 パレードに参加した女子学生は、「ニュースを見ていて、何も行動に移さず見過ごすことはできないと思った」と話し、別の女性も、「言うだけじゃなく、アクションが必要と思った。みんなで行動して地球を守っていきたいと思います」と語りました。
 「森林火災や洪水など世界に広がる災害の映像に、地球の未来が危ないとショックを受けた」と言う女子大生は、「私1人が行動しても、と最初は躊躇しましたが、ここに来て良かった。次は友人も誘いたい」と話していました。
 手作りのプラカードを手にマーチに参加した男性は、「自分たちがなぜこういう活動をするのか、なぜ地球を自分が守りたいと思っているのかを、多くの人に伝えていく」と語りました。

(大阪民主新報、2019年12月8日号より)

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