「チャレンジテスト」は廃止し 教育条件の拡充こそ
大阪府内の公立中学生を対象とする「チャレンジテスト」は2019年度、3年生は6月19日に実施、1・2年生は来年1月9日に実施されます。1年生は国語と数学、英語の3教科、2・3年生はこれに社会と理科を加えた5教科です。
維新政治のもと府教育委員会は15年から、「評定の公平性の担保」を理由に、テスト結果を生徒の高校入試内申点に反映させてきました。全国的にも異例です。
府教育委員会は11月15日の会議で、同テストの「見直し」として20年度から、テスト結果を生徒一人ひとりの内申点に直接反映させる中学1・2年生の方式(「個人戦」)をやめ、テスト結果を学校ごとの内申点の平均に反映させる中学3年生の方式(「団体戦」)を中学1・2年生に広げることを決めました。「見直し」後も、5教科テスト結果が9教科全体(4教科にも)に影響し、根本は全く変わっていません。加えて、21年度から小学5・6年生対象の「統一テスト」実施を検討するとしています。
学校関係者から「学校間格差を生み、子どもたちの人間関係にまで影響をおよぼす改悪だ」と強い批判の声が上がっています。
日本共産党の内海公仁大阪府議は10月11日と18日の府議会教育常任委員会で、「チャレンジテスト」の廃止を求めました。
もともと内申点は、定期テストだけでなく、授業の様子や提出物、リポートなど、子どもの日常的な学習状況を総合的に評価して、学校が自主的につけるものです。こうした内申点の公平性を保障するのは、教職の専門性です。「各学校における絶対評価を信用すべき」(大阪市立A中学校長)です。
府教育委員会が実施主体のテストは行政調査としての性格をもつため、その結果を子どもの成績評価に反映させることは、教育行政による教育への「不当な支配」となり、憲法違反の「禁じ手」です。
子どもと教育文化を守る大阪府民会議は、「チャレンジテスト」結果を高校入試の内申点に反映させないことを求める署名運動に取り組んでいます。
教育をゆがめ、子どもを過度な競争に駆り立てる「チャレンジテスト」を廃止し、35人学級を小中学校全学年に広げるなど教育条件の拡充が求められます。
(小林裕和・日本共産党大阪府委員会文教委員会責任者)
(「しんぶん赤旗」2019年12月17日付)