えさやり規制へ条例案可決
大阪市議会 井上議員が討論
大阪市議会は12日の本会議で、ハトなど野生動物へのえさやり行為を取り締まる条例改正案などを全会一致で可決し、閉会しました。鶴見緑地(大阪市鶴見区)に指定管理者制度を導入する議案は、日本共産党以外の賛成多数で、「大阪港湾局」設置など府市の港湾一元化に向けた議案は維新や公明などの賛成多数で、それぞれ可決しました。
えさやり行為を巡っては、同市住吉区で長年にわたり、大量のパンやコメなどがまき続けられて、ハトやカラスの大群が飛来し、地域住民に健康被害が生まれていることが問題になってきました。
討論で日本共産党の井上浩議員は、えさやり行為を取り締まる条例改正案について、動物へのえさやりを規制するものではなく、残ったえさや糞尿、羽毛などの清掃を義務付けるものであり、「社会常識の範囲内の当然ことだ」と指摘。条例改正を機に、えさやりをする人々との対話を行うなど、被害に遭っている住民に寄り添った粘り強い対応を要望しました。
鶴見緑地が指定管理に
鶴見緑地への指定管理者の導入は、大和リースや美津濃などを含む「鶴見緑地スマイルパートナーズ」を、球技場や咲くやこの花館など11施設の指定管理者に指定するものです。
井上氏は、「民間活力」が導入された大阪城公園で約1200本の樹木が伐採され、有料施設の建設が進んで「憩える場所でなくなった」との声も上がっていると指摘。「行き過ぎた樹木の伐採やハコモノづくりが公園に相応しいか検討すべき時に、商業化路線を突き進むものだ」と反対しました。
港湾管理の一元化問題で井上氏は、大阪港と府の港湾とでは成り立ちや取り扱い貨物に大きな差があり、一元化して貨物が増えるわけでも、大阪経済の発展に寄与するものでもないと強調。「大阪市廃止ありきの制度いじりに過ぎず、到底容認できない」と反対しました。
(大阪民主新報、2019年12月22日号より)