安倍政権倒し野党連合政権へ、
カジノ・「都」構想ストップで
維新政治打ち破る年に
日本共産党 柳利昭府委員長に聞く
日本共産党大阪府委員会の柳利昭委員長に、2019年を振り返るとともに、2020年に臨むことを聞きました。
――新年おめでとうございます。
おめでとうございます。
昨年は、連続した選挙戦を幅広い共同を探求してたたかい、この中で日本共産党の躍進を目指しました。また、たたかいを支える強く大きな党づくりでも新たな挑戦を進めてきました。奮闘されたすべての皆さんに敬意と感謝を申し上げます。
今年は、いよいよ総選挙で安倍政権を倒して野党連合政権に道を開き、日本共産党の躍進を勝ち取るとともに、カジノ・「大阪都」ストップで維新政治を打ち破るたたかいに挑みます。皆さんの一層のご支援をお願いいたします。
2019年を振り返る
連続選挙で広がった共闘、共同
――大きな選挙が連続した1年でした。
昨年春の統一地方選挙では、前半戦を、維新が仕掛けた知事と大阪市長のダブル選挙での「反維新」の共同と一体にたたかい、後半戦は、宮本岳志さんが議員辞職して無所属で挑んだ衆院大阪12区補選での「市民と野党の共闘」と並行してたたかいました。
ダブル選挙での維新の「改革者」宣伝と「野合」批判に自民党府連が言い訳にまわり、「反維新」の共同の大義が崩されて維新の「大勝」を許したことは、議員選挙にも大きく影響し、全体として残念で重大な結果になりました。同時に、安倍政治と維新政治を倒すために、わが党が大義の旗を鮮明にして幅広い共同を探求してたたかったことは今後に生きるものであり、大阪府党組織がその役割を発揮したものです。
私たちはこの結果を踏まえて、今後は「大阪都ストップ」では広い共同を重視しつつ、選挙戦などでは「市民と野党の共闘」を軸にたたかうことを明らかにしました。公明党と自民党府連指導部が維新に屈服する下で、5月の堺市長選挙を新しい市民共同の力でたたかい、メディアの予想を覆して善戦・健闘しました。12区補選での本格的な野党共闘への踏みだしも、全国での参院選1人区での相互支援のたたかいに大きく発展しました。
3分の2割れと自民党半数割れ
7月の参院選では、ダブル選挙からの維新の「風」が逆風となる中でも、全党が「担い手」を広げ、批判とともに新しい政治への希望を語って奮闘しました。自民、公明とともに立憲も得票を大きく減らす下で、わが党は17年総選挙比例票から得票・率ともに前進させましたが、大阪選挙区では辰巳孝太郎さんの宝の議席を失う痛恨の結果になりました。
この悔しさは今も残るものですが、選挙戦では市民との共同がかつてなく広がりました。「たつみ応援チーム」や「JCPサポーター」が独自の宣伝などで奮闘、山本太郎、香山リカ、長谷川義史さんなど多くの著名人、コンビニ店主、企業経営者、森友追及の無所属市議などの支援がありました。メディアも出口調査で「支持政党なしのうち、最多の18・9%が共産現職の辰巳氏に投票」と書きました。
全国でも大阪でも市民と野党の共闘は大きく前進して、改憲勢力が参院の3分の2を割り、自民も単独過半数を失う結果をつくりました。
野党共闘が現実政治を動かして
この共闘は、秋の臨時国会でさらに画期的に発展し、「桜を見る会」疑惑の追及で安倍政権を追い詰め、2人の大臣の辞任、大学入試改悪の延期、自民改憲案提示阻止など、現実政治を動かしています。高知県知事選では、日本共産党の松本顕治さんを野党統一候補として応援して大健闘の結果を勝ち取りました。
大阪でも共闘前進の努力が強められ、昨年11月の大阪革新懇の「野党連合政権実現をめざすシンポ」に立憲の村上史好衆院議員とわが党の清水忠史衆院議員が出席、国民民主と社民党府連がメッセージを寄せました。カジノ反対や都構想ストップの市民集会にも各野党が参加しています。
こうして、大阪を含めた昨年のたたかいは、野党が連合政権構想を国民に示すことを、多くの人が求める状況をつくりだしてきたと思います。
2020年、どう臨むか
――2020年、どう臨みますか。
党大会決定の実践に踏み出す年
1月の第28回党大会では、新しい世界論と未来社会への展望を明らかにした綱領一部改定案と共に、野党連合政権の実現と日本共産党の躍進、それを支える強大な党づくりの2つの決議案を議論し決定します。安倍政権を終わらせ、野党連合政権を本気で目指す新しい時代を迎えている下で、この党大会決定の実践に踏み出す年になります。
まず、今年予想される解散・総選挙で、市民と野党の共闘の勝利とともに、全国850万票、大阪80万票の得票目標に挑戦して日本共産党の躍進を勝ち取るために全力を尽くします。
野党連合政権目指す共闘発展を
市民と野党の共闘を野党連合政権を目指す共闘に発展させるために、大会決議案が示した「安倍政治からの転換の3つの方向」を大いに語り、9条改憲阻止、消費税5%減税、社会保障拡充などのたたかいを広げながら、「野党は連合政権」の声を草の根から広げましょう。大阪でも、「市民と野党の共同アピール」など、野党共闘の姿を府民に示す努力を進めます。この中で、小選挙区での選挙協力の合意を探求します。
共闘を進めながら党躍進目指す
この共闘を進めながら、いかにわが党自身の躍進を図るかが重要です。そのカギは、党の自力づくりとともに、「日本共産党だから支持する」という積極的支持者を増やす日常活動だと思います。「綱領を語り、日本の未来を語り合う集い」をすべての党支部で繰り返し開くことが大事です。昨年9月以降でも400回、7千人以上の規模になっている「集い」をさらに広げましょう。また、日本共産党後援会の活動強化も重要です。大阪の47万人の後援会員・後援会ニュース読者の結び付きを生かして対話と共同を強めることが、積極的支持者を広げて大阪比例80万票を実現する大きな力になります。
「都」構想、カジノストップ焦点
今年は、維新政治とのたたかいも正念場となります。大会決議案は「安倍政権の最悪の補完勢力」として、維新とのたたかいを位置付けました。この点でも、総選挙で市民と野党の共闘の勝利と日本共産党の躍進をかちとるたたかいが、大阪でこそ重要です。
同時に、維新政治を拠点の大阪で打ち破ることは、大阪府党組織が果たすべき誇りある課題です。大阪の政治では、府民の暮らしや教育の要求でのたたかいとともに、カジノと「大阪都」ストップが大きな焦点です。カジノは府民多数が反対であり、「カジノあかん」パンフも活用して「100万署名」で維新を包囲しましょう。
「大阪都」ストップは維新の政治戦略の柱を打ち砕くたたかいです。大阪府の役割を変質させ衛星都市にも大きな負の影響をもたらすものであり、共同闘争本部の「未来づくりパンフ」で対話と宣伝を強めて、カジノも「大阪都」ストップも「大阪はひとつ」のたたかいを広げましょう。
党づくりの改革・発展に挑戦を
安倍政権と維新政治の「二重の逆流」を打ち破る決定的な力は強く大きな党建設です。
昨年9月からの「党勢拡大大運動」では、大阪でも多くの新入党員を迎え、「しんぶん赤旗」「大阪民主新報」の読者も連続前進させています。職場と青年・学生分野の党づくりも新たな前進があり、民青同盟は一昨年の1・4倍の加盟になりました。「野党連合政権で政治を変えようの訴えが響く」「桜疑惑追及に共感」など、党勢拡大前進の条件が実感され、党建設の危機的状況を打開する努力が始まっています。
「大運動」目標達成に力を尽くしながら、大会決議案が提起した「党創立100周年をめざす党建設の目標」を目指して、一部改定される党綱領を学び語る活動をはじめ、党づくりの改革・発展に挑戦していきます。
新ビル建設、赤旗まつり成功へ
今年は、多くの皆さんから募金をいただいている新しい大阪府委員会事務所建設も、いよいよ着工を目指します。5月には、「大阪赤旗まつり2020」を14年ぶりに開催します。新しいチャレンジを、多くの皆さんと力を合わせて進めます。さらなるご協力を心からお願いいたします。
(大阪民主新報、2019年12月29日・2020年1月5日新年号より)