おおさかナウ

2020年02月22日

「小学校潰し条例」案 委員会可決
大阪市議会教育こども委 共産・自民は反対

質問する長岡大阪市議=17日、大阪市議会

質問する長岡大阪市議=17日、大阪市議会

 11学級以下の小学校の統廃合を教育委員会主導で進める「大阪市立学校活性化条例改正案」についての審査が、17日の大阪市議会教育こども委員会で行われ、日本共産党の長岡ゆりこ市議が、反対の立場から質問に立ちました。
 長岡議員は、文部科学省の手引きでも「学校規模の適正化や適正配置の具体的な検討については、行政が一方的に進める性格のものではない」と明記していることを示し、行政が一方的に学校の統廃合を進めるルール作りである条例は、「文科省の手引きに反する」と指摘しました。
 市当局が「保護者、地域の自発的な発意による進め方では、時宜に応じた学校再編が難しい状況が生じる可能性がある」と述べたことに対して、長岡議員は、「意見がまとまらないから条例でルール化し、行政が強行できるようにするのは、行政としての責任放棄」だと厳しく批判。統廃合後に児童が急増し校舎増築を余儀なくされた学校の例や保護者の声などを紹介し、「学校には地域の歴史やさまざまな背景があり、地域住民の理解を得ることなく、統廃合を進めることは許されない」として、「子どもたちのことを本当に考えるなら、再編ありきのルール作り、条例化はするべきではい」と述べました。
 自民党市議は、条例制定を確認した1月15日の大阪市総合教育会議で、地域の合意形成の状況を示した事務局資料に、町会長や保護者の発言が改ざんして掲載されたのではないかとただし、当事者の抗議の言葉を紹介。松井市長は「録音したものがないから、どちらがうそをついているか分からない」と強弁しました。
 委員会では、改正条例が小学校の適正規模を12学級から24学級と定め、適正規模を下回る学校の再編整備を明記している一方、適正規模を上回る大規模校の問題については触れていないことへの批判が集中。教育委員会は、「課題の違いから個々の取り組みを進める」などと答えました。
 条例改正案は共産党、自民党が反対しましたが、維新、公明が賛成したため可決されました。
 条例改正と連動する「生野区西部地域学校再編整備計画(案)」で、地域、保護者の合意を尊重し、強引な手法をとらないよう求める住民の陳情書は、継続審査となりました。


(大阪民主新報、2020年2月23日号より)

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