国は地域医療を守れ
国主導の病院統廃合許さない
大阪医療問題連絡会 学習交流会で呼び掛け
厚生労働省が昨年9月、公的・公立病院424施設の実名を挙げて病床削減や医療機能の再編・統合へ検討を求めた問題で、大阪医療問題連絡会主催の学習交流会「この春、どうなる、地域医療」が13日、大阪市北区内で開かれ約80人が参加しました。地域医療と国民の命・健康を守ろうと、国に対し「再検証」要請の撤回を求める署名運動や、自治体・議会要請など地域で運動を広げようと呼び掛けました。
主催者あいさつで、同連絡会の川辺和宏会長は、厚労省が名指しした府内医療施設には、府の第7次医療計画で、6病院が市町村災害医療センターに、3病院が災害医療協力病院に位置付けられていると指摘しました。
各首長が反対するなか大阪府は
全国各地の自治体首長が国の方針に異議を唱える中、大阪府知事は当該医療機関や地域住民の願いに背く姿勢を見せていると批判しました。
川辺氏は、1980年代以降、国立病院削減や独法化はじめ医療と社会保障を改悪してきた政策の問題点を述べ、「地域医療の崩壊につながる強権的な病床削減と医療再編を許してならない。地域で学習を進め府民的運動を広げよう」と呼び掛けました。
講演で大阪府保険医協会の田川研事務局次長は、「診療実績がない」「近接の医療機関がある」などと決めつけ公表した再編対象リストについて、2017年6月のたった1カ月分のレセプトデータなどに基づき、機械的に抽出されたものだと指摘。「地域の実情や医療ニーズ、各病院が地域医療を守ってきた努力や役割を、まったく反映していない」と批判しました。
各地の運動交流では、「救急医療の拠点を守ってほしいと、切実な声が寄せられている」「看護師の退職など、風評被害ともいえる事態が起きている」などの声が紹介されました。「署名用紙を作成し、病院存続へ対話を進めている」、「多くの区長が署名に協力するなど、反響が広がっている」などの取り組みも紹介されました。
行動提起では、公的・公立病院への「再検証」要請撤回署名や自治体・議会への要請、地域での学習運動がなどが呼び掛けられました。
(大阪民主新報、2020年2月23日号より)