草の根の対話広げて9条改憲発議阻止へ
大阪憲法会議・共同センター
緊急署名スタート集会開く
安倍政権による改憲策動阻止をと呼び掛けられた「改憲発議に反対する全国緊急署名」の推進へ、大阪憲法会議・共同センターは2日、大阪市内でスタート集会を開きました。記念講演の他、国会情勢や各団体・地域の取り組みを交流し、府内全域で草の根の対話運動を広げようと署名運動の成功が提起されました。
全国緊急署名は1月1日、「安倍九条改憲NO!全国市民アクション」が呼び掛けたものです。同アクションの声明文は、2017年秋以降全国津々浦々に広がった3千万署名運動の意義と成果について、①改憲反対の世論を広げ②市民と野党の共闘を後押し③国会審議を阻止④先の参院選で改憲勢力3分の2割れを実現したと指摘。その上で「改憲をめぐるたたかいは最大の山場にさしかった」と緊迫する現局面に触れ、「いまこそ安倍改憲に反対するすべての人々は共同し全国の草の根から行動を起こ」そうと新たな運動を提起しています。
憲法を守る正念場の年
「2020年は、憲法を守るたたかいにとって、文字通り正念場の1年になる」。記念講演の冒頭、一橋大学名誉教授の渡辺治氏は強調し、開会中の通常国会での憲法審査会審議入りを狙った自民党の体制一新、野党取り込みと改憲3分の2議席の再形成の策動など、安倍政権が過去の失敗の教訓を踏まえて新たな動きを強めていると指摘。「全国緊急署名」は、改憲発議の阻止に焦点を絞り、9条改憲反対の世論を広げることを最大目的に提起されたと述べました。
渡辺氏は、戦争法強行以降のたたかいを振り返り、▽総掛かり行動が立ち上がり、16年7月参院選で初の野党共闘実現、▽自衛隊明記論による巻き返し、解散・総選挙と共闘の危機、▽3千万署名の展開と国会での野党共闘の発展、▽13項目の共通政策の前進――など、60年安保以来55年ぶりに共闘が実現した画期的意義を指摘。この5年間、何度も危機を乗り越えながら発展してきた「市民と野党の共闘」が、安倍政権による改憲策動を押しとどめる力になったことを確信にしようと訴えました。
渡辺氏は、通常国会での首相演説、自衛隊の中東派兵の問題点、自民党支部への「草の根学習通達」や改憲右翼団体「日本会議」の動きに触れながら、憲法第9条に自衛隊を明記するなど自民党の改憲4項目の危険性を、広範な国民の中で学び広げていく重要性を指摘。「安倍改憲阻止のたたかいを広げ、新しい政治への展望を訴え、市民と野党の共闘を政権共闘に発展させよう」と訴えました。
活動交流で豊能九条の会の高野光一さんは、1月3日に取り組まれた緊急署名の取り組みを報告し、「街頭署名に加えて個別訪問も計画し、署名運動を軸に対話運動を広げていきたい」と語りました。
新日本婦人の会府本部の中川美佳さんは、すでに開始されている緊急署名の取り組みを発言し、「3千万署名など市民運動が野党結束の力になったことに確信を持ち、緊急署名に取り組みたい」と述べました。
大阪憲法会議・共同センターの丹羽徹幹事長は、「優れた憲法を国民生活や国際平和にいかすとき」と緊急署名の推進を呼び掛けました。
草の根で市民と対話を
大阪憲法会議・共同センターは、「緊急署名のぼり旗」を作成し、憲法リーフ(36号)を活用した宣伝行動などで、署名推進を呼び掛けています。
行動提起で山田憲司事務局長は、「9の日行動」「19日行動」など、府内全域でダイナミックに取り組もうと訴え。2020年前半の行動について、3月19日の市民集会・パレードや、5月3日のおおさか総がかり集会と中央行動などを軸にして、全有権者規模の対話運動を広げようと呼び掛けました。
日本共産党の清水忠史衆院議員が出席し、連帯あいさつしました。
(大阪民主新報、2020年2月9日号より)