福祉切り捨て再開発に
枚方維新市政が新「行革」案
維新の伏見隆市長が昨年9月に再選された枚方市で、来年度からの「行財政改革実施プラン2020(案)」(行革プラン2020)が大問題になっています。維新市政が進める京阪枚方市駅周辺の再開発の財源づくりのために、市独自の福祉施策の切り捨てや市民負担増を打ち出したもの。計画を撤回し、施策を守るよう求める運動が始まっています。
民間事業者に丸投げの開発
枚方市は昨年12月5日の市議会全員協議会に、枚方市駅周辺再開発の新たな検討案と財政見通しを示しました。同市は2013年に「枚方市駅周辺整備ビジョン」を策定。18年に計画素案を出しましたが、タワーマンションの建設を盛り込んだ内容に市議会から異論が続出。財政見通しも示せず、計画策定は1年先送りとなっていました。
新たな検討案では、先行実施する枚方市駅前の再開発を民間事業者に丸投げするものになっています。
再開発での市負担は、当初案では約216億円でしたが、新たな検討案では約236億円に増加しています。
全員協議会で市が再開発のための「財源確保策」として示したのが「行革プラン2020」です。
上下水道の福祉減免廃止も
水道料・下水道使用料の福祉減免制度の廃止(20年10月)や、公共施設の駐車場有料化、市民会館会議室などの減免制度の廃止、手数料・使用料の引き上げなどを列挙。これらの市民負担増などを含めて毎年5億円を再開発の「基金」に積み立てるとしています。
水道料・下水道使用料の福祉減免制度は1976年から続いてきた制度で、身体・知的・精神障害者(児)世帯、生活保護世帯、介護保険要介護(要介護4・5の人がいる)世帯、生活困窮高齢者世帯、ひとり親世帯を対象に、水道料・下水道使用料の基本料金を免除するもの。枚方市独自のきめ細かな制度です。
市は昨年12月5日から20日間のパブリックコメントを実施しただけで、住民説明会も開かないなど、市民不在ぶりが際立っています。
(大阪民主新報、2020年2月9日号より)