中央区大阪市議再選挙
13日告示・22日投開票
政令市の力を生かす大阪市へ
日本共産党・小川陽太候補に聞く
元維新の大阪市議が公選法違反(買収)で有罪が確定し、当選無効・失職したことに伴う中央区の大阪市議再選挙(3月13日告示、22日投票)に立候補する日本共産党前大阪市議の小川陽太さんに、立候補の決意や政治家としての信条などを聞きました。
大阪市が瀬戸際にある中の選挙
――小川さんは平野区選出の大阪市議として2期8年。今回、維新議員(事件発覚後に離党)の不祥事による中央区の再選挙に立候補されます。
小川 平野区は大阪市に最後に編入された区で、市の責任で進めるべき街づくりなどは道半ばです。
現職の時は、橋下市政の「市政改革プラン」で押し付けられてきたバス路線の削減や、公立幼稚園・保育園の民営化、施設の統廃合とたたかってきました。
同じように中央区でも、市民の中で切実な願いが渦巻いています。今こそ、政令市である大阪市の力をしっかりと市民の暮らしに生かす、新しい大阪市政が求められています。
ところが維新市政は、カジノ誘致や巨大開発に突き進み、大阪市を廃止・分割する「都」構想の住民投票を11月に実施しようとしています。
経験と力生かして
大阪市がなくなるかどうかという、まさに瀬戸際にある中で行われるのが今回の再選挙です。私の経験と力を生かせるならという思いで立候補を決意しました。そのことは、一緒にたたかってきた平野区の仲間や市民の皆さんにとっても必要なたたかいです。立候補の発表以来、「小川さんでなければできない仕事。必ず勝利して政治の流れを変えよう」という平野区の方をはじめ、多くの激励をいただいています。
切実な住民の声を聞いて実現へ
――さっそく街頭での訴えなど、中央区内を駆け巡っておられますね。
小川 はい。この間、中央区では児童が急増し、小学校の教室不足が深刻で、校庭に校舎を建設している学校もあります。
玉造地域では学童保育も不足し、天王寺区の学童保育まで通う子どももいます。近くで学童保育をつくりたいと、お父さん、お母さんが頑張っていますが、中央区は地価が高く、場所の確保が大変。「学童保育を開設するための支援を」との訴えは切実です。
中大江地域では、松屋町筋のバス路線が廃止され、高齢者が出歩く機会が減っています。「バス路線の復活がいよいよ必要だ」という声が、立場の違いを超えて寄せられています。
現在、学童保育の予算はわずか7億円。民営化に伴い赤字のバス路線を支える補助金は、29路線で約4億円程度です。大阪市の一般会計予算は1兆8千億円ですから、いずれもほんのわずかな額です。
今すぐできること
逆に言えば、やろうと思えば、学童保育への家賃補助や公共交通の拡充などは、今すぐにでも実現できます。それだけの力を持っているのが、政令市である大阪市。それを阻んでいるのが、維新政治にほかなりません。
「カジノ反対」の声を必ず届ける
――初当選は2011年4月の大阪市議選。同年秋のダブル選で橋下徹氏が市長になって以降、文字通り維新政治との対決でしたね。
小川 2期8年のうち5年間は都市経済委員会に所属し、カジノ誘致に反対する論陣を張ってきました。カジノ誘致には、どの世論調査でも反対が多数。ギャンブルで経済成長など、あり得ない話です。推進派は「国際観光拠点をつくる」と宣伝しますが、この間のカジノ汚職で明らかになったように、すべては海外のカジノ資本の利益のためであり、不幸になるのは日本国民、大阪周辺の一般市民です。
しかも大阪の事業者公募に応募したのは、MGMとオリックスの共同グループだけ。誘致に前のめりの府市政が足元を見られるのは確実です。私は「カジノ誘致はストップ」の声を、まっすぐ市議会に届けます。
万博費用の増大やカジノ誘致を口実にした巨大開発も目白押しで、大阪市の収支見通しも悪化しています。
開発優先の政治に
失敗済みの開発優先の政治に後戻りさせてはなりません。高すぎる国民健康保険料や全国一高い介護保険料を引き下げるなど、まともな税金の使い方に変えようではありませんか。
大阪市の廃止に反対貫く共産党
――大阪市を廃止・分割する「都」構想では、維新と公明が住民投票へ暴走しています。
半人前の自治体に
小川 「都」構想問題では街頭でも質問が寄せられ、市民の皆さんが真剣に考え始めているのを実感します。ある若い男性は「4つの特別区で区長・区議会が選ばれ、住民の声が届くという点で前進すると期待しているが、しっくりこない」と聞いてきました。
私は、議員定数は人口比で東京特別区の3分の1で、住民の声が届きにくくなることや、「特別区」は自前の財源も乏しい半人前の自治体で、大阪市独自の住民サービスを維持できる保証はないと答えました。「都」構想にも、住民投票にもぶれずに反対を貫く日本共産党が大阪市議会の議席を増やすことは、大阪市廃止にストップをかける力に必ずなります。
「住民が主人公」の立場で働く党
――小川さんと日本共産党との出会いは。
小川 いわゆる「就職氷河期」に大学を卒業した私は、派遣やパート、アルバイトを転々としました。長時間労働・低賃金で展望もなく働いていた中で、民商(民主商工会)の仕事を紹介され、平野民商の事務局員になりました。
世のため人のため
人生の先輩に当たる年代の方々が、自分のことは横において、世のため人のために頑張っている姿に接して、日本共産党にも入党しました。25歳の時です。
市議候補になると決意した時も、「政治が変わることが自分と一緒にやっている人たちの幸せにもつながるし、社会全体を良くすることだ。その役目が回ってきた」という自然な気持ちでした。
企業団体献金や政党助成金を受け取らず、いつでも、どこでも「住民が主人公」の立場で働ける日本共産党の一員であることに、いまあらためて誇りを感じています。
再選挙は文字通り短期決戦。大阪市と市民の暮らしが岐路にある中、「大阪市を守りたい」「大阪市をよくしたい」と願う皆さんと力を合わせて、何としても勝ち抜く決意です。
(大阪民主新報、2020年3月1日号より)