自衛隊への名簿提供やめよ
堺市議会で藤本議員が質問
日本共産党の藤本幸子堺市議は、2月27日の大綱質疑と3月23日の総務財政委員会で、自衛官の募集対象者の情報提供について質問しました。
自衛隊法では、防衛大臣は自衛官募集に関し、自治体に資料提供を求めることができるとしていますが、提供義務の法的定めはなく、要請に応じない場合もペナルティー(罰則)はありません。
堺市はこれまで、応募対象者の情報提供は、住民基本台帳法に基づく閲覧提供にとどめ、名簿提供については、自衛隊協力本部から要請があっても断ってきました。
ところが昨年12月、総務財政委員会での維新議員の質問に永藤市長が、「提供する方向で検討を進めるよう指示した」と答弁しました。
2月27日の大綱質疑で藤本議員は、「どう対応するかの判断は堺市に委ねられている」とし、安保法制施行で自衛隊の海外での武力行使の道が開かれた下で、「自衛隊に堺市の若者の名簿を提供することがどういうことなのかを認識すべき」だと述べ、名簿を提供しないよう求めました。
3月23日の総務財政委員会質問で、藤本議員は、名簿提供の対象である市民が、提供しないよう求めた場合の取り扱いについて質問。「丁寧に説明する」としか述べない市当局に対して藤本議員は、京都市では市民の運動を背景に、提供停止を請求した対象者の名簿は提出しないとする対応に変わったことを紹介しました。
藤本議員は、永藤市長に、安保法制施行後、南スーダンに派遣された自衛隊員の中に、PTSD(心的外傷ストレス症候群)に罹患した隊員や、自殺する隊員がいたことを示し、「命の危険を伴う自衛隊に堺市の青年の個人情報を提供することは、堺市に責任が生じるのではないか」と質問。永藤市長は、自衛隊の任務に命の危険が伴うことを認めながらも、「住民情報の提供は、自衛隊法に則った事務であり、問題ない」と強弁しました。
藤本議員は、「自衛隊への個人情報の提供は、自治体が戦争事務を手伝った歴史を繰り返すことだ」と指摘。「国に言われるままに協力するのではなく、市民の権利と命を守る立場に立つべき」だとして、名簿提供の中止を求めました。
(大阪民主新報、2020年3月29日号より)