検察庁法改定案
廃案まで声上げる
政府 今国会成立を断念
SNSで宣伝で市民が行動
市民の運動と世論が政府・与党を追い詰め、内閣の一存で特定の検察幹部の定年を延長できるようにする検察庁法改定案の今国会成立を断念させました。法案に抗議する声がツイッターなどで急速に広がり、大阪でも各地でスタンディング行動。安倍晋三首相が、「国民の理解なしには進められない」として法案を継続審議にすることを表明したことに対し、「見送りでなく廃案に」の声が新たに広がっています。
道頓堀でスタンディングが
17日午後、大阪市中央区の道頓堀橋で、無言で抗議するスタンディング行動が行われました。御堂筋を挟んだ橋の両側に、「検察庁私物化許さん」「市民なめたら痛い目あうで」「どさくさまぎれの強行採決絶対反対」など、思い思いの言葉を書きこんだプラカードを手に、市民が次々集まりました。
安倍政権はもううんざり!
「ツイッターでたくさんの著名人も声を上げている。自分も何かしたかった」と語るのは、豊中市から参加した林辻直也さん(30)。「新型コロナの対策は遅いのに、安倍政権に都合のいい検察人事を狙う。国民にまるで目を向けていないことがはっきりした」と怒りを込めました。
「安倍もううんざり!」の手書きプラカードを持っていた40代の女性は、「私が働いているところも自粛でクローズされた。安倍政権のコロナ対策は、国民半分ぐらい死んでもいいと本気で思っているのではと感じるほど、何もしていない。その一方で自分の都合のいいように法律を変えようとするなんて、独裁政権は歴史上のことだと思っていたけど、そうではないことが分かった」と話していました。
最近になってこの問題に関心を寄せた人も参加していました。
これは通してはいけないと
コンビニで出力できるプラカード「激おこ。週明けの強行採決に反対します」を持った30代の実業家の男性は、「芸能人がたくさんツイートして騒がしくなっているのを見て、何かなと思い、詳しく調べてみたら、国を私物化するようなもの。これは通してはいけないと思った」と話しました。
自営業の男性が呼び掛けたこのスタンディングは、ツイッターなどで拡散し、関西で活躍するDJやヒップホップグループのメンバーらも参加しました。
元創価学会員のツイートが
元創価学会員で府内在住のじょばみさん(51)もツイッターでこの行動を知り、20代の娘と参加しました。検察庁法改定問題で、「ブレーキ役?ふざけんな!!アクセルしか踏んでない!!」と公明党を痛烈に批判。そのツイートが3日間で8千回以上拡散され、100万回閲覧されるなど大きな反響を呼びました。「市民一人一人が声を上げたことが、法案の見送りにつながった。気を緩めず、まっとうな議会制民主主義を取り戻すために行動を続けたい」と語っています。
(大阪民主新報、2020年5月24日号より)