日本共産党地方議員団 住民の苦難軽減で奮闘
新型コロナ対策
各自治体の独自策へ尽力
大阪府下の日本共産党各地方議員団は、新型コロナの影響から住民の命と暮らしを守り「住民の苦難軽減」の立場で奮闘しています。各議員団は、相談活動やアンケートで寄せられる声や運動と結び、議会で取り上げ実現してきました。特徴的なものを紹介します。(5月26日現在)
1)子どもの居場所の確保、子育て支援
2月末、突然の「休校要請」で現場が混乱する下、各地の日本共産党議員団は、子どもの居場所確保や安心な環境づくりを求めて奮闘。「小中学校を開放し、自習などで受け入れを」「校庭や幼稚園の園庭の開放」「支援学級の受け入れ拡大」「災害備蓄品を活用し、留守家庭児童会にマスク・消毒液を」などを、各自治体に要望してきました。
その後休校が長期化し、営業や雇用への影響が広がる中、「学校給食の無償化」や「ひとり親家庭への支援」など、各議員団が要望してきた子育て世代への支援策が、各地で実現しています。「18歳までのすべての子どもを対象に、1人当たり月1万円」(箕面市)、「20歳未満の子どもがいるすべての世帯に1人1万円」(貝塚市)、「中学生までの子ども1人につき1万円」(門真市)などです。
「児童扶養手当等受給のひとり親家庭18歳の子1人当たり5万円」(枚方市)、「子3人以上の児童扶養受給世帯に3万円、1人増えるごと1万円増」(豊中市)など、児童扶養手当受給やひとり親家庭への給付、妊婦への給付(枚方市、忠岡町、千早赤阪村)を行う自治体もあります。
16の市町で、学校給食無償化を実現しています。田尻町では、既に19年度から無償化されています。大阪市は、来年度からの無償化を前倒しして実施します。期限付きでは、泉佐野市や熊取町、岬町は1年間無償化、吹田市は来年3月まで小学校は無償、中学校は半額などです。
高槻市は、高校生に1人当たりコメ10キロ支給します。
2)営業と雇用を守る
多くの事業所で売り上げが激減する中、大阪府の休業要請支援(府と市町村折半)が実現したものの、業種は限られ、「売上半減」の条件付きのため、現在4分の3の事業所は対象外です。それに対し、府支援の対象から外れる事業者への支援が実現しています。
八尾市議団は、府の支援対象外の事業者への支援について5月議会で取り上げ、売り上げが15%~50%減った業者に10万円支給する制度を実現しました。豊中、高槻、寝屋川、枚方、河内長野、大阪狭山各市などでも独自支援を実現しています。
摂津市では、飲食、洗濯、理美容、浴場、旅行業者などからの陳情を議会で取り上げ、10万円の激励金を実現しました。茨木市で実った「収入減」「事業所が茨木市内」の全ての事業所が受けられる制度は、対象が広く「使いやすい」と好評です。
泉佐野市では、インバウンド激減で打撃を受けた宿泊業者への支援制度がつくられています。
豊中市では、融資を受ける事業者が支払う信用保証料への補助として、これまで2・5万円だった上限を20万円まで拡大。党議員団が議会で取り上げ実現しました。吹田市や枚方市などでも、同様の補助制度がつくられました。
休校に伴い仕事を失った業者や労働者への救済策も。松原市議団は、自宅待機となった非正規の学校給食調理員に休業補償を行うよう要望。市はこれを受け、一部を会計年度任用職員として採用することになりました。
また、貝塚市は、学校給食食材納入業者への損害補填を行います。
3)住民の暮らし・健康を守る
河内長野市議団は、これまで「学童保育環境の改善」「公衆衛生の向上」「水道基本料金の減免」「紙媒体による周知徹底」「緊急雇用対策」「子どもと食と給食関係事業者を守る」など、国の地方創生臨時交付金の交付限度額も示しながら、11次にわたり要望を出してきました。
その一つ「公衆衛生の向上」(4月22日)の申し入れでは、府の休業要請で、スーパー銭湯も高齢者府福祉センターの風呂も休業・休館する中、自宅の風呂が使えない住民がいる現状を指摘。市はこれを受け、5月1日に福祉センターのシャワー設備の無料開放を決めました。
また同市では、水道の基本料金の5割減免(4カ月間)や、準要保護(就学援助)世帯への給食費の支給も実現しています。
同市議団では、「アベノマスクの取り扱いについての提案」もしています。不要なマスクを寄付してもらい、備蓄の不織布マスクは医療機関などへ配布するなど有効活用するよう提案。市では早速「アベノマスク寄贈箱」が設置されました。
多くの自治体で、水道料の基本料金の無償化や減免が実現(最長1年間)しています。
寝屋川市では、低所得者層の介護保険料引き下げ、泉佐野市、田尻町、千早赤阪村などでは、国保料の減額を行います。八尾市は、今年度の国保料値上げをストップさせました。
4)検査・医療体制の拡充へ
寝屋川市は、検査体制の強化へ「ドライブスルー方式」の検査所設置を決めています。これは、帰国者接触者外来を通さず、かかりつけ医の判断で検査できるものです。
現在約10カ所の帰国者接触者外来が設置されている豊中市では、9月末までの延長を決めていますが、党市議団は、延長だけでなく、増設して検査を増やすべきと求めています。
感染の危険と隣り合わせで仕事を続ける医療従事者や福祉労働者への支援を行う自治体もあります。堺市では、コロナ関連医療従事者に対し、3千円の市内宿泊費を補助しています。
摂津市は、「学童保育従事者応援給付金」として、1人当たり1万円を給付。豊中市は福祉施設のサービス継続に対する支援金制度を創設しています。
(大阪民主新報、2020年5月31日号より)