おおさかナウ

2020年06月07日

個人情報丸ごと企業へ
自公維 スーパーシティ法強行

 人口知能(AI)やビッグデータなど最先端技術を活用する「スーパーシティ」構想を官邸主導の規制緩和で実現を目指すスーパーシティ法(改定国家戦略特区法)が5月27日の参院本会議で、自民、公明、維新などの賛成多数で可決、成立しました。日本共産党と立憲・国民などの共同会派は反対しました。

大門実紀史参院議員が反対討論

daimon スーパーシティ構想では、キャッシュレス決済や遠隔医療、小型無人機ドローンの活用など各分野の規制を一括緩和する仕組みを導入し、購買履歴や健康情報、個人の関心事など膨大なデータを集積します。
 最先端サービス実現のため、自治体が保有する住民の個人情報を企業と共有する課題など、プライバシーや権利侵害などの危険性が問題視されています。
 「個人情報や行動軌跡が集積・分析され、個人の特性や人格の推定まで可能となる」。日本共産党の大門実紀史議員は参院本会議で反対討論に立ち、個人情報を企業が一元管理し、医療・交通・金融などのサービスを丸ごと提供する同構想の危険性を指摘。「国民的議論が重要だ。目先の利益だけを追う一部企業家などの拙速な要求だけで社会のあり方を変えようとするのは言語道断」と述べました。
 同法案は2019年6月の通常国会で提出されながら、廃案になった経緯があります。新型コロナウイルス対応のさなか、拙速なやり方に批判の声が出る下で、自公に加え維新が協力する形で強行されました。

カジノと一体に「超監視社会」を

 大阪では、大阪湾の人工島・夢洲にカジノIRと一体に、スーパーシティを目指す動きも加速しています。
 同法成立を受け大門氏は、「スーパーシティ法の一番の狙いは、維新の要望に応えて夢洲カジノと一体になった超監視社会をつくらせること」だと発信。憲法改悪に維新の協力がほしい安倍政権が、カジノIR実現を交換条件にしたもので、カジノ解禁の時と同じ構図だと指摘しています。

(大阪民主新報、2020年6月7日号より)

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