おおさかナウ

2020年06月14日

コロナ危機から暮らし・営業守ろう
〝世論と運動 補正予算に反映〟
共産党府委が地方議員団懇談会

コロナ関連対策で各地の取り組みや課題を話し合った日本共産党府委員会が開いた地方議員団懇談会=6日、大阪市中央区内

コロナ関連対策で各地の取り組みや課題を話し合った日本共産党府委員会が開いた地方議員団懇談会=6日、大阪市中央区内

 日本共産党大阪府委員会は6日、大阪市中央区内で、大門実紀史参院議員、清水忠史衆院議員を迎えて新型コロナ関連対策地方議員団懇談会を開き45人が参加しました。「緊急事態宣言」解除後の医療・検査体制や、各自治体の支援策など現状と課題を交流。感染流行の「第2波」に備え、住民の暮らしと営業を守り抜こうと活発に意見交換しました。

 党府委員会コロナ関連対策本部長の辰巳孝太郎前参院議員が開会あいさつし、保健・衛生分野の体制強化や自粛要請と一体の補償を求めてきた取り組みを示し、「国民の声が政治を動かしてきた」と強調。深刻な府民生活の実態に触れ、国民健康保険や学童保育など各分野の具体的課題を指摘。苦難解決へ市町村、大阪府、国へ働き掛けを強めようと呼び掛けました。
 石川たえ府議団長が府政について報告(別項)。大門氏は、国の第2次補正予算と日本共産党が4日発表した「感染抑止と経済・社会活動の再開を一体にすすめるための提言」について触れ、国民と野党が求めてきた多くの項目が二次補正に盛り込まれたと指摘。雇用調整助成金や持続化給付金の拡充など制度改善、不十分な家賃補助を拡充する課題など、提言の内容を述べながら、「国民の暮らしと営業を守る運動を広げよう。現場の声を聴き改善させていくたたかいに、全力を挙げたい」と述べました。
 各議員団からの発言では、公立病院が収益悪化で経営危機にあるとの問題提起や、自治体の委託事業を巡り、コロナ感染拡大のあおりを受けて未払い賃金問題が出ていることなどが報告されました。
 府の休業要請支援金で、オンライン申請が受理されたかどうか分からないなどの問い合わせが増えていると指摘され、煩雑な手続きの改善を求める声も相次ぎました。
 教育行政を巡って、6月の学校再開後、現場教員の負担が大きくなり悲鳴が上がっているとの指摘が出されました。子どもたちの不安や願いに応える現場対応の必要性と共に、養護教諭やスクールカウンセラー、教員増の必要性が強調されました。国のGIGAスクール構想を巡り、オンライン教育の有効性への疑問の他、各自治体で予算化が進むオンライン化基盤整備事業予算の問題や、教育格差が生じる懸念などが指摘されました。
 清水氏は、「党に寄せられる期待は、国民生活に広がる厳しい実態の裏返しだ。行政の現場で突破できない制度の壁も、地域の支部・議員団の皆さんと力を合わせ乗り越えていきたい」と述べました。

府独自支援さらに 石川府議団長が報告
対策は不十分

 石川府議団長は、先月成立した新型コロナ関連府予算の概要を説明し、①感染抑止・医療体制、②くらしと経済、③子どもと学校―対策など総事業費4800億円のうち、府支出分は780億円だとし、地方創生臨時交付金など国の2次補正が成立すれば、府負担額の大部分が交付税措置されると指摘。「府民の暮らしや営業の実態を見れば、対策は不十分」だと述べました。
 石川府議団長は、PCR検査体制や1日当たりの検体取り扱い可能数、入院可能施設などの現状を取り上げ、感染ピーク時にPCR検査を受けられないケースが相次いだことや、軽症患者の多くが自宅待機を余儀なくされたなどの問題を指摘。帰国者・接触者外来や24時間コールセンターの対応、ドライブスルー検体採取などの課題に触れながら、現場対応の中心を担う保健所などの機能強化、「地域検査センター」開設へ医療機関がPCR検査機器を導入する際の補助など、実効ある対策が求められていると語りました。
 暮らしと営業の問題で、「府休業要請支援金」(市町村折半)は、府内27万事業所のうち対象は6・8万件、休業要請「外」支援金の対象は6万件に過ぎず、個人事業主・フリーランスの多くが対象外だと指摘。固定費負担に苦しむ府民の実態を述べ、休業要請「外」支援金の期間延長と対象拡充を求めていきたいと述べました。
 石川府議団長は、学校教育を巡り、府教委が夏休みの期間短縮を示した問題を批判し、「そもそも学校教育の裁量権は学校長に与えられているもの。子どもたちの履修状態は、学校長が現場の先生と一緒に判断して決めるべき性質の問題だ」と強調。年度内履修にこだわらないとした文科省通知にも反する府教委の方針について、「子どもたちの声を聴かず、教員を含め現場を追い込むやり方を、絶対にしてはいけない」と強調しました。
 公立病院の統廃合計画を見直して機能強化を図ること、福祉職への手厚い支援、文化・芸術振興など府民生活を応援する政治実現へ奮闘すると決意を語りました。

(大阪民主新報、2020年6月14日号より)

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