今こそ子どもに少人数学級を
コロナ禍教育条件整備を思い切って
日本共産党が宣伝・懇談
新型コロナの緊急事態宣言の解除を受け、6月1日から府内で多くの学校園が再開されて1カ月余。長期の学校休校、学習の遅れや格差の拡大、夏休みの短縮などで、子どもたちがかつてない不安とストレスを背負い、保護者も悩みを抱えています。日本共産党は、子どもへの手厚く柔軟な教育を保障し、新型コロナから子どもと教職員の健康と命を守るために、教育条件の思い切った整備を実現しようと、府民への訴えや各界との対話を進めています。
「世界の常識を日本でも」
宮本前衆院議員が訴え
分散登校から大人数学級に
大阪市では6月1日からの学校園の再開に当たって、新型コロナの感染拡大防止に配慮して、1クラスを2つに分けるなど「少人数分散登校」を実施。ところがその期間が終了すると子どもたちは再び元の35人、40人という大人数学級に戻されています。
宮本岳志前衆院議員(衆院近畿比例・大阪5区候補)はこの間、各地の街頭演説で、この機会に「1クラス20人程度」を基本にした少人数学級に移そうという日本共産党の提案を示して、「子どもたちに少人数学級のプレゼントを」と訴え、保護者や教職員などから注目されています。
現行基準では「3密」になる
6月27日には、大阪市東淀川区内の3カ所で、長岡ゆりこ大阪市議らと街頭演説。同区東部の大道南市営住宅前では、小学4年の女子児童がバドミントンで遊んでいました。「分散登校の時は1クラス何人でしたか」という宮本氏が聞くと、17人。それが今は34人になっているといいます。「17人の時はゆったりと、先生ともよく話せましたよね」と話すと、女子児童はうなずいていました。
宮本氏は、日本の教室の基準は64平方㍍で、そこに34人も児童がいると、いわゆる「3密」になってしまうと指摘。「安心だと思うから分散登校を始めたのなら、そのままの人数か、せめて20人程度の学級にするのが子どもたちにとって一番いい」と力を込めました。
20人程度の学級に踏み出す
09年の総選挙で衆院議員に初当選した宮本氏は、文部科学委員会を担当。1クラスの人数が極端に多いことなど、「日本の教育の非常識」を追及しました。
11年の衆院予算委員会では、米軍基地内に日本国民の税金である「思いやり予算」で小・中学校をつくっているが、学級単位は18~25人で、小学校の教室の広さは80平方㍍だという事実を突き付けました。
街頭でもこの論戦を紹介し、「子どもたちが未曽有のコロナ危機にある中で、日本でもせめて世界の常識である20人程度の学級に踏み出すのは当然」と強調。全国で教員10万人増やせば20人程度の学級に踏み出すことは可能で、必要な予算1兆円は、第2次補正予案で計上した10兆円の予備費の10分の1だと語りました。
さらに大阪市の小中学校では、教員を約5400人増やせば20人程度の学級にでき、必要な予算は447億円だと指摘。1千数百億円もの財政調整基金を活用すれば、国待ちではなく、大阪市独自に踏み出すことができると訴えました。
2つの「提言」届けて懇談
宮本・辰巳氏らが大教組と
日本共産党の宮本岳志前衆院議員(衆院近畿比例・大阪5区候補)と辰巳孝太郎前参院議員・党府コロナ関連対策本部長は6月25日、大阪市天王寺区の大阪教職員組合を訪れ、同党の「感染抑止と経済・社会活動の再開を一体にすすめるための提言」「学校再開にあたっての緊急提言」を届けて懇談しました。
「一人一人に言葉掛けができ、子どもたちの表情や様子がよく分かる」「勉強もじっくり丁寧に教えられ、行き届いた指導が可能に」。大教組の藤川真人委員長は、「3密」を避ける一時的措置とされた分散登校で、1学級を2グループに分け児童生徒数が20人以下となった効果を示し、「こんなに先生と話せたのは初めて」など、子どもからの感想も紹介しました。
宮本、辰巳両氏は、教員10万人増員などで20人程度の学級を目指すとした「緊急提言」や、学習指導要領の弾力化を求めたポイントを示し、「子どもと毎日接する教員らの創意工夫や自主性が保障される学校づくりが大切」「子どもと教職員の命と健康を守るため、少人数学級の実現に全力を挙げたい」と語りました。
教室に入ると感染防止に必要とされる十分な間隔さえ保てない問題も指摘され、宮本、辰巳両氏は、「政治の決断が求められている。予算と人員を確保し教員の負担を減らすべき」と強調しました。
(大阪民主新報、2020年7月6日号より)