こんな時に住民投票?
臨時府・市議会開会 府民連・市対連が行動
協定書議決許さない
大阪市を廃止・分割する、いわゆる「大阪都」構想を巡り、「特別区設置協定書案」を承認するかどうかが問われる府議会と大阪市議会の臨時議会が18日、開会しました。新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない中、維新や公明など「都」構想推進勢力は府議会で8月28日に、大阪市議会で9月3日に議決を強行し、11月の住民投票実施に突き進む構え。これに対し府民要求連絡会(府民連)、大阪市対策連絡会議(市対連)が臨時議会の開会日に宣伝や要請行動に取り組むなど、「協定書案」を議決させない世論を一気に広げようと、全力を挙げています。
臨時議会の開会を前に、18日の昼休みに大阪市北区の大阪市役所前で市対連が宣伝行動を実施。淀屋橋近くの電光掲示板が「気温37度」を示す酷暑の中、約200人が参加しました。
日本共産党の井上浩市議が連帯あいさつし、「世界広しといえども、コロナ禍において都市を丸ごと廃止・分割する議論を優先させているところは大阪市だけ。異常極まりない」と批判。「大阪市廃止・分割の議論で市民を振り回す政治はもうごめんだという良識の声を突き付けよう」と呼び掛けました。
「住民投票を許さないたたかい、大阪市を守り、発展させるたたかいは正念場」と切り出した大阪市をよくする会(よくする会)の福井朗事務局長。「住民の実態を一つ一つ明らかにして対話し、『都』構想の本質が多くの市民に伝われば、必ず勝利できる。共に頑張りましょう」と力を込めました。
府民連の川津匠事務局長は、府庁前での宣伝に続き、府議会の土井達也議長に「協定書を議決するな」という個人・団体署名と、吉村洋文知事に住民投票中止を求める団体署名を提出したと報告。「今なすべきは住民投票よりコロナ対策。引き続きこの声を大きく上げていきたい」と決意を語りました。
大阪労連大阪市地区協議会、年金者組合府本部、府歯科保険医協会、新婦人府本部、大阪市教の代表が訴え。市対連の庄司修事務局長が、コロナ前の「協定書案」のまま住民投票を強行することは絶対認められないとし、「大阪市を守り、本来の自治体としての24区の力を生かしながら成長させていくたたかいにしよう」と語りました。
前回賛成の男性 ビラ見て「私も」
よくする会のビラを受け取って、「自分も配りたい」と同会の事務所を初めて訪ねたという大阪市北区の男性(52)が、宣伝に参加しました。
男性は「橋下人気」の中で、2015年の住民投票で「何か変わるかも知れない」と賛成に投票。「『都』構想ノー」の審判が下ったことで、維新政治そのものの問題点を考えるようになったと振り返ります。
男性は「『都』構想や住民投票は、市民の中に対立や分断を生む。強行を許せば大阪はとんでもないことになる。私はどこの党の支持者ということでなく、大阪市廃止に反対する、いろんな立場の人たちと力を合わせ、食い止めるために頑張りたい」と話しました。
(大阪民主新報、2020年8月23日号より)