大阪府議会8月臨時会
の閉会にあたって
8月臨時府議会が8月28日に閉会したことに当たり、日本共産党府議団は同日、次の見解を発表しました。
2020年8月28日 日本共産党大阪府議団
本日、8月臨時大阪府議会が閉会しました。
新型コロナ禍が深刻化するもと、日本共産党府議団は、検査拡充、病床確保、減収補償など緊急かつ抜本的な対策を6次に渡り要望してきました。吉村洋文知事は、「コロナ対策を大阪府市で一元化」するとのべ、これまで8回の今年度補正予算を編成しました。しかしその多くは国施策の具体化で、府「独自」対策とするものもほぼ国の交付金の枠内でしかないなど、府民とわが党が求めるコロナ対策の水準に比べ余りに貧弱です。改めて、府民の生命と生活を守り抜くに足る、コロナ対策の抜本強化を求めます。
今議会で、「大阪都」構想の「協定書」が、維新、公明、自民の一部等の賛成により可決しました。
「都」構想は、大阪市を廃止・分割することで、巨額のコストを費やし大阪市民の暮らしを後退させるものです。初期費用38億円に加え毎年36億円もの負担が、大阪市民だけでなく全府民に押しつけられます。知事は、「都」構想でも財源不足にならず住民サービスは後退しないとのべています。しかし、「都」構想の財政見通しは、地下鉄からの株主配当や税収をはじめ、すべてコロナ禍以前の経済・財政予測に基づいています。コロナ禍による税収減は地方交付税等で補填されるとしていますが、過去の例を見てもその保証はありません。
知事は、コロナ禍のもとでも住民投票が実施できるように、専門家の警告を無視して「大阪モデル」の警戒・非常事態基準を繰り返し改変しました。今議会ではさらに、非常事態となっても住民投票を強行することさえ示唆しました。大阪市内が感染拡大集積地となっているにもかかわらず、「都」構想の財政見通しでは、国から交付金をもらえる範囲でしかコロナ対策は講じないとされています。
大阪市民と府民に重い負担を押しつけ、府市のコロナ対策を歪め足かせとなる「都」構想は、断じて行うべきではありません。
わが党議員団は、コロナ禍から大阪を守り、「都」構想を阻止するために、広範な府民、大阪市民と共同し全力をあげるものです。
(大阪民主新報、2020年9月6日号より)