安倍後継でなく新しい政治へ
「大阪の共産党です!」第8弾をライブ配信
多彩なゲストを迎え感染症対策や焦点の課題を縦横に語り合うインターネット企画「大阪の共産党です!」(日本共産党大阪府委員会)の第8弾が12日、動画投稿サイト「ユーチューブ」でライブ配信されました。
菅氏は疑惑の核心にいた人物
今回は、西淀病院副院長の落合甲太医師(総合内科)をゲストに迎え、新型コロナを巡る現状と課題、安倍政治に代わる新しい政治の実現や大阪の未来をテーマに、辰巳孝太郎前参院議員(党府新型コロナ対策本部長)と語り合いました。党生野・天王寺地区委員会の西田さえ子さんが進行役を務めました。
とっくに辞任して当然の内閣だ
辰巳氏は、森友疑惑や加計学園問題など、国政私物化や暮らし破壊の悪政を進めた安倍政権は、「とっくに辞任していて当然の内閣だった」と指摘。国民の世論と運動に加え、後手後手のコロナ対策への強い批判で辞任に追い込まれたと語りました。
「安倍政治」の継承を掲げる菅義偉氏(前官房長官)について、「安倍政権の疑惑を隠して支え続けた人物であり、公文書改ざんの疑惑の核心にいた」と強調。財務省による内部調査だけでは絶対に真相解明はできないとし、解散・総選挙で自民党に代わる新しい政治の実現へ全力を挙げると語りました。
PCR検査を抜本的に増やして
新型コロナ感染を巡る大阪の現状について、全国の新規感染者が減少傾向にある中で、大阪市は検査に占める陽性者が7~8%と高い比率にあり、大阪市以外の市町村の3倍近くに上ると指摘。感染者集団(クラスター)の発生が大阪市内に集中する現状を取り上げて、「無症状者が感染を広げるとの専門家の指摘を踏まえ、PCR検査を抜本的に増やすことが求められている」と強調しました。
落合氏は、発熱を伴い入院した患者がコロナ陽性と判定された事例を紹介し、現場におけるコロナ診断の難しさや、感染のリスクと向き合い業務に当たる医療従事者の努力を紹介しました。
冬に向け国を挙げた支援は急務
コロナ対応に伴う病院経営への深刻な影響を述べるとともに、季節性インフルエンザの流行期が重なる今冬への備えも欠かせないとし、PCR検査や公衆衛生の強化へ、「人員」「物資」「財政」3つの側面で、国を挙げた支援は急務だと強調。「患者さんの命と健康、地域医療を守るために全力を挙げていきたい」と語りました。
辰巳氏は、大阪府内に16カ所程度設置されている「地域外来支援センター」を取り上げ、自治体と医療機関の契約に基づき、保健所を介さずにPCR検査が可能になると紹介しました。
辰巳氏は、府は9月中に26カ所に増やす計画を持ち、枚方市で3カ所、高槻市で5カ所などの計画がある一方、大阪市内は4カ所の計画にとどまっていると指摘。「1日当たり最大2千件程度にとどまる現状を打開する必要がある」と強調しました。
いつでも誰でも安心して検査を
辰巳氏は、発熱症状を示した児童や生徒の学習権が十分に保障されない現状と共に、保護者の雇用や就労権が不当に脅かされる事態にも言及。落合氏も、医療体制が逼迫する中で、スタッフが追い詰められて休みさえ取れない現状を示し、「社会全体で感染症を乗り越えていくためには、職種を問わず、いつでも誰でも安心してPCR検査を受けられる体制を構築する必要がある」と強調しました。
ライブ配信中も、視聴者からの質問や意見が多数寄せられました。
吉村洋文知事が、ポピドンヨードを含むうがい薬(イソジンなど)が新型コロナに有効だと府民に呼び掛けた問題について、落合氏は、裏付けが十分でない情報を政治が扱う問題点を指摘。科学的な知見に基づく正確な情報提供と慎重な政策展開が求められると強調しました。
政治を変える大きなチャンスだ
自民党政治に代わる新しい政治実現の課題では、辰巳氏は、「安倍政治」の継承路線を打ち出した自民党の内部矛盾と限界点を指摘。「格差と貧困を拡大した自民党政治の根本的な転換が必要。総選挙が近いとされる今、国民の信を問い新しい政治をつくることが求められている。野党が結集して政治を変える大きなチャンス」と語りました。
都構想は対策停滞原因の一つ
命守ることは政治の最大の責任
「大阪都」構想の是非を問う2度目の住民投票について辰巳氏は、「『大阪都』構想が、コロナ対策が進まない原因の1つになっている」と指摘しました。大阪市のコロナ対策会議が5月22日以降開かれていない問題や、府や大阪市が財政調整基金を活用した緊急対策を取らない問題点を批判。「大阪市廃止は住民生活にとっても関西経済にとってもいいことはない。『都』構想よりコロナ対策をの声を広げていく」と語りました。
落合氏も経済効率を掲げた政治が医療や介護、福祉施策を次々と削った弊害を指摘。「命を守ることこそが政治にとって最大の責任であるはず。効率主義の政治を見直し、医療や介護、暮らし優先の社会を目指していきたい」と語りました。
(大阪民主新報、2020年9月20日号より)