おおさかナウ

2015年01月23日

闇取引で協定書議決強行

維新・公明が暴挙

共産・自民・民主が反対

 13日府庁内で開かれた第21回大阪府・大阪市特別区設置協議会(法定協)で、維新の会と公明党の賛成多数で、大阪市を廃止・解体する特別区設置の「協定書」の議決を強行しました。2月開会の府議会、大阪市会での議決を経て、5月17日に「住民投票」を行うよう求めることも可決。日本共産党府委員会は8日、声明「『大阪都』ストップへ、大阪の日本共産党と民主勢力の総力を」(2面に全文)を発表し、公明党を取り込んだ橋下・維新の会の暴走を大阪の共同の力で打ち破ろうと呼び掛けるなど、たたかいに全力を挙げています。

協定書案の採決で起立する維新・公明の委員らminpou

維新・公明の委員の賛成で「協定書」案を可決した法定協=13日、府庁内

百害あって一利なしの都構想
共産党がたたかいを呼びかけ

否決協定書
とほぼ同じ

 維新の会が法定協から反対派を排除してまとめた「協定書」は昨年10月の府市両議会で否決され、存在しないものでした。ところが昨年末に公明党が「都構想には反対だが、住民投票までは協力する」と態度を急変させ、12月30日の法定協では維新の会と公明党の賛成で、否決された「協定書」を13日の法定協に再び提案し、議決すると決定。実際に橋下徹大阪市長が提案した「協定書」は、ごく一部の技術的な微修正を加えたものにすぎません。
 意見表明で日本共産党の山中智子大阪市議は、議会で否決された「協定書」を再度提案することは特別区設置法すら踏みにじり、住民投票ありき、日程ありきの暴挙だと指摘。維新の会と公明党の動きについて「闇取引、密室談合という最悪の形。真相が分からない状況は、市民にとっても承服できない」と批判しました。

違法・脱法
積み重ねて
山中智子大阪市議

山中智子大阪市議

 特別区設置には庁舎建設などで600億円もの初期コストが必要で、5年間で1071億円もの収支不足が生まれ、「住民サービスは良くなるどころか、悪くせざるを得ないことは明らか」と強調。権限・財源・財産を「都(府)」に取り上げられ、100以上の事業の住民サービスを担う「一部事務組合」が必要になるなど、「自立できない半人前の自治体に成り下がってしまう」と語りました。
 最後に山中氏は「『協定書』は違法・脱法を積み重ねて作成され、両議会で無効決議が上がった。それでも議論して市民にとって百害あって一利なしということを明確にして否決したもの。闇取引でよみがえらせ、賛否を問うことは認められない」ときっぱり語りました。

切り捨てや
開発ずらり
宮原たけし府議

宮原たけし府議

 日本共産党の宮原たけし府議は、「協定書」を読んだだけでは、3つの特別区役所の新設でコスト増となり、市民プールが24カ所から9カ所に削減されることなどサービス削減が前提になっていることが分らないと指摘。「大阪都」構想で淀川左岸線延伸部(3500億円)、なにわ筋線(2500億円)はじめ、計1兆5億円もの巨大開発が計画されていることを挙げ、「『協定書』の実態が議会と府民、市民によく分かるようフルオープンにすべき」と求めました。
 橋下市長は「『協定書』は役所組織をどうするかというもの。政策面はときどきの議会で議論すればいい」と話をすり替え。宮原議員は「政策ではなく『協定書』に関する客観的な事実。それを知事も市長も否定していない。事実に基づいて公正に議論すべきだ」と反論しました。

矛盾を露呈
した公明党

 自民党の柳本顕大阪市議は、「特別区の区割りは住民の意見を聞かず短時間にまとめたいい加減なもの。巨大な一部事務組合、無味乾燥な特別区名など問題を上げればきりがない」と反対を表明。民主党の長尾秀樹大阪市議も「『協定書』は議会で否決。一部修正されたが基本的に全く同じものだ。当然賛成できない」と述べました。
 維新の会の浅田均府議は、今回の「協定書」も特別区設置法の要件を満たすもので、何ら問題がないと強弁し、5月17日に住民投票を行うよう主張。
 公明党の清水義人府議は「協定書」の問題点を指摘し「実現されれば府民、市民に重大な影響が出るのは明らか」としながら、「知事・市長と議会との不毛な対立が続けば府政・市政が混乱する。都構想議論の収束を図るため、住民投票で決着をつける」などと矛盾に満ちた姿勢を示しました。

民主主義と暮らしを破壊する大阪都構想を許すなと訴える市民ら=13日、府庁前

民主主義と暮らしを破壊する大阪都構想を許すなと訴える市民ら=13日、府庁前

 

(大阪民主新報、2015年1月18日付より)

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