厚労省の公的病院統合方針
〝命のとりで〟守り発展を
茨木 署名推進スタート集会開く
国保・介護署名推進学習決起集会が9月26日、茨木市内で開かれました。国保制度をよくする茨木連絡会が主催したもの。15年目を迎えた国保署名推進を呼び掛けるとともに、地域医療の中核を担う公立病院の存続・発展の課題などを交流しました。
国保・介護も負担軽減・充実を
茨木連絡会は2006年に高すぎる国保負担軽減や制度改善を目指して発足。定例の宣伝行動や署名活動に取り組んできました。
主催者あいさつで年金者組合茨木支部の代表は、1961年の国保制度化に伴う国民皆保険制度の意義を紹介しました。国庫負担引き下げで地方自治体の国保運営が厳しくなる実態や、維新府政が強行する統一国保の弊害を指摘。「市民の声を行政に届け、国保や介護の負担軽減を目指そう」と呼び掛けました。
厚生労働省が昨年9月に全国424の公立・公的病院(現在440病院)の再編・統合方針を示した問題を巡り、高槻赤十字病院を守る会の代表が活動報告。日赤病院は、大阪府災害医療協力病院や救急告示病院、がん診療や難病治療はじめ27の施設認定を持つ地域医療の拠点だと語り、「住民の命のとりでを守るために、力を合わせましょう」と訴えました。
第2部で講師を務めた日本共産党大阪府委員会の辰巳孝太郎副委員長・新型コロナ関連対策本部長が、「地域医療と新型コロナウイルス 公的病院再編統合問題」と題して講演しました。
辰巳氏は、公立・公的病院の入院ベッドを5万床減らすなど国の「地域医療構想」について、将来的には民間病院のベッド削減も狙われているとし、公的医療費を抑え込むための制度改悪だと強調しました。
2019年の「骨太方針」を巡り、「年金、医療、介護など社会保障全般を切り捨てようとしている」と批判した辰巳氏は、後期高齢者の医療費2割負担や年金支給開始年齢の75歳までの引き上げ、介護給付カット、「多様で柔軟な働き方」の促進など、新自由主義に基づく社会保障の大改悪が狙われていると述べました。
辰巳氏は、コロナ禍で公衆衛生や感染症対策、医療提供体制の抜本的強化が必要だと語り、全国と大阪で保健所体制が縮小されてきた問題を指摘。救急医療の府補助金を削減し、府立急性期総合医療センターに「2キロ圏内」にあるとして住吉市民病院を廃止した維新政治の問題点を告発しました。
行動提起では、大阪府と茨木市に向けて、国保と介護制度の改善、医療体制の拡充、高槻赤十字病院と北摂総合病院など公的病院再編・統合撤回を求める請願署名に取り組むことを確認。10月17日にはロングラン宣伝も計画しています。
(大阪民主新報、2020年10月11日号より)