中原府教育長パワハラ問題
真相究明・厳正な対処を
中原教育長のパワハラ発言 「個人の意見を披露する場ではない。課長が用意した通りに言えばいい」 |
共産党府議団 府教委に申し入れ
日本共産党府議団(宮原たけし団長)は7日、府の中原徹教育長が女性教育委員に威圧的発言を行ったとされる問題で、真相究明や厳正な対処を求め府教委に申し入れました。教育委員会議の民主的運営や、「自由にものが言えない雰囲気があった」「正常な議論ができない」と指摘される状況で決定した府立池田北高・咲洲高の募集停止の再検討などを求めました。
民主的運営や決定再検討求める
少人数が理想という意見に
昨年10月21日に、認定こども園の学級定員を引き上げる条例改正をめぐり、日本共産党のくち原亮府議の知事質問に対する答弁調整の場で立川さおり教育委員が、「私は委員である前に、3歳児の母、当事者として、より少人数が理想だと思っている」などの発言を、中原教育長がさえぎり、「何を言っているんですか。母親とか、理想的とか、教育委員なんだから、個人の意見を披露する場ではない。課長が用意した通りに言えば、いいんです。共産党に利用されるだけ」などと述べたとされます。
中原教育長は続けて「自分のキャリアに傷がつく。損害賠償請求、告訴します」、「罷免要求出しますよ」などと発言したとされます。
教育委員長らも知らされず
条例改正案は、昨年8月には現行の25人以下としてパブリックコメントも行われましたが、松井一郎知事の意向で国基準の35人以下へと変更され、9月に再度パブコメを実施し、議会に提案されました。2度目のパブコメの実施や結果は教育委員に知らされず、陰山英男教育委員長は、10月22日にくち原府議の質問で初めて認識したといいます。条例案は松井知事が問題発覚後に、原則25人以下として提出し直し、可決成立しました。
「戦慄すべき」威圧的な発言
中原教育長の威圧的発言は、立川委員以外にもあるとの小河勝委員からの告発を受け、陰山教育委員長は府教委職員からの聞き取りの内容を、「戦慄すべき内容」「立川委員どころではない」と報告しています。
府教委は外部の弁護士による第三者委員会で中原教育長の立川委員への発言や、条例改正における教育委員会の意思決定プロセス、小河氏が指摘する中原教育長から府教委職員への発言について調査し、2月中に結果をまとめるとしています。
池田北・咲洲両校の募集停止は9月に案として発表され、保護者や地域住民らが撤回を求め3万4580人分の署名を提出しましたが、11月21日の教育委員会議で決定されました。
教育行政で起きた重大問題
申入れで、くち原府議は、「第三者委員会の調査にあたり、府教委が決めた3項目以外にも問題が存在していると考えられる。中原氏の教育長就任以降の教育委員会議としての意思決定のあり方、他の教育委員会職員等への言動などについても、しっかりと真相究明をはかっていただきたい」と求めました。
宮原団長は「とりわけ教育行政に関わるところでこういう問題が起きたということは重大だ」と指摘。小松ひさし府議候補は「子どもは敏感だ。府民から理解と共感が得られるよう努力をしてほしい」と求めました。
(大阪民主新報、2015年1月18日付より)