おおさかナウ

2020年10月16日

大阪市廃止に反対 暮らし第一の大阪市へ
住民投票が告示 立ち上がる市民

 大阪市を廃止するのか、それとも大阪市を守って市民の命と健康、暮らしを第一にした新しい大阪に発展させるのか――大阪市廃止・「特別区」設置の是非を問う2度目の住民投票が12日告示され、大阪の未来を決める重大なたたかいに突入しました。明るい民主大阪府政をつくる会(明るい会)と大阪市をよくする会(よくする会)や、幅広い市民が「再び『大阪市廃止ノー』の審判を下そう」と、宣伝や対話に立ち上がっています。

必ず勝利しよう
明るい会・よくする会が出発式

明るい会とよくする会が「住民投票で必ず勝利しよう」と行った出発式=12日、大阪市北区内

明るい会とよくする会が「住民投票で必ず勝利しよう」と行った出発式=12日、大阪市北区内

 明るい会とよくする会は告示日の12日朝、大阪市北区の大阪市役所前で住民投票勝利に向けた出発式を行いました。西淀病院の落合甲太副院長、大阪労連の菅義人議長、浪速産業株式会社の中野雅司社長、弁護士の石田法子氏、日本共産党大阪市議団の山中智子団長が訴え。同党の清水ただし衆院議員も駆け付けました。
 落合氏は、「ポストコロナの新しい医療、社会、経済をつくりたい。それは大阪市廃止から始まるのではない」と力説。菅氏は「政令市・大阪市の大きな財源と権限を生かし、コロナ対策、賃金や雇用の安定のために施策を」と訴えました。
 中野氏は「多くの先人が愛し、育んできた政令市・大阪市を消滅させ、村以下の(特別)区になるなんて、絶対反対だ」ときっぱり。石田氏も「大阪市民であることに誇りをもっている。大阪市廃止は逆戻りのできない片道切符だ」と語りました。
 山中氏は、大阪市廃止・分割問題と向き合って10年、「百害あって一利なし」の思いは一㍉も変わらないとし、「その百害が及ぶ孫子の代の人たちに、『なぜあの時、大人は賛成したのか』と言われたくない。一人でも多くの方に『反対と書こう』の声を届け抜こう」と呼び掛けました。

路地裏宣伝で対話 堺から「応援隊」も
西成区

堺市から応援に駆け付け宣伝する人たち=11日、大阪市西成区内

堺市から応援に駆け付け宣伝する人たち=11日、大阪市西成区内

 堺市で市民と野党の共闘を進める「堺からのアピール」と、昨年6月の同市長選に向けて結成された市民グループ「市政を刷新し清潔な堺市政を取り戻す市民1000人委員会(1000人委員会)」が10日から2日間、大阪市西成区内で路地裏宣伝に取り組み、計82人が参加しました。
 グループに分かれ、明るい会とよくする会が発行した「まるわかりパンフ」を手渡しながら市民と対話。飛び入りの訴えや、「マンションに配りたい」とパンフを50部持ち帰った女性もいました。
 落語家の笑福亭竹林さんが両日ともハンドマイクを握り、「『都』構想と言いますが、大阪は『都』にならず、大阪市が廃止され、力の弱い4つの『特別区』になるだけ。大阪市の未来を決める住民投票。よく知って『反対』と書いて下さい」と訴えました。

町会ごとに交流会 独自ビラに募金も
福島区

福島区をなくさんといて区民の会が開いた交流会=10日、大阪市福島区内

福島区をなくさんといて区民の会が開いた交流会=10日、大阪市福島区内

 福島区をなくさんといて区民の会は、同区内の町会ごとに交流会を開いています。10日午前は海老江地域、午後は玉川地域で開き、連合町会長はじめ計約50人が参加。「ここに参加の人はみんな『反対』だ。課題は若い人にどう働き掛けるかだ」との声も。独自ビラを作り新聞折り込みをすることを提案すると、計約3万円の募金が寄せられました。
 玉川地域では、よくする会の中山直和事務局次長が「暮らしも大阪の未来も壊す大阪市廃止に『反対』を!」と題して講演。維新支持だが大阪市廃止には反対という男性が、25年の万博開催に必要な地下鉄延伸の事業費の一部をカジノ業者がもつ計画だが現状はどうかと質問しました。
 中山氏が、カジノの開業が万博に間に合わず、カジノ業者が負担する可能性は低いと説明すると、男性は「そういうマイナスの情報が伝わらないことは問題だ」と語りました。

(大阪民主新報、2020年10月18日号より)

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