「住民投票の折り返し点にあたって」
情勢と論戦の特徴、両会の今後の活動について
両会からアピール
2020年10月21日
住民投票の折り返し点にあたって
情勢と論戦の特徴、両会の今後の活動について(アピール)
明るい民主大阪府政をつくる会 大阪市をよくする会
はじめに
10月12日に告示された「住民投票」は投票日まであと10日となり、折り返し点を迎えました。「大阪市をよくする会」と「明るい民主大阪府政をつくる会」は、現在の状況と「論戦」をどう見るか、さらにまた、勝利への展望がどこにあるかを明らかにし、逆転勝利をつかむ活動を、すべての構成員と「大阪市なくすな!」の一点で共同するすべての市民のみなさんに訴えるものです。
1,序盤の様相について
(1)維新の会と公明党は大阪市民を欺いている
今回の住民投票で維新陣営は、「都構想」賛成に回った公明党とともに、「大阪市役所ぐるみ」ともいえる行政の私物化を行っています。大阪市廃止=「都構想」に反対する意見や批判をすべて「デマ」と称して封殺し、「投票公報」では協定書にも書かれていない「さらに住民サービスを充実」(維新も公明も)などと記載し、一貫して大阪市民を欺こうとしています。また、他市からの議員・運動員を動員し、何が何でも「数の力」で押し通そうと必死です。私たちは、このことをいささかも軽く見ることはできません。
しかし同時に、維新の会の「おごり」は、大きな矛盾と反発に直面しています。公明党の4つの要求を取り入れた今回の協定書には「住民サービスの拡充」を書き込むことは出来ませんでした。「特別区設置時には維持」と書かれていますが、その後は「維持に努める」との「努力目標」があるだけです。
テレビ討論で「住民サービス」問題が指摘されると、公明党議員は論点をすり替え、大阪市廃止=「都構想」に反対する共産党への攻撃でかわそうとしています。これは、前回から態度を180度変えた公明党への批判が強いことのあらわれです。
公明党支持層ではなお「反対多数」といわれています。その引き締めのために、10月18日には山口代表を大阪入りさせました。街頭演説には「三色旗」と「さよなら公明党」ボードをかかげた創価学会員の方が抗議の意思を示していました。
(2)目に余る維新の会の市政私物化
さらに、「市役所ぐるみ」の問題では、維新の会のビラに「デマ」に対して「公平な立場で」「大阪市の職員がていねいにお答えいたします」と、「副首都推進局」の電話番号を掲載して配布しています。
「よくする会」「明るい会」両会で副首都推進局に経緯をただし、2度にわたる記者会見をおこない、メディアも「市役所としての逸脱を批判」ととりあげています。これに対して松井大阪市長は「問題ない」と一蹴し、また、「都構想推進が大阪市の立場」と開き直っています。大阪市当局が、住民投票の中立性・公平性を築く責任と義務を放棄していることに強く抗議するものです。
(3)「よくする会」「明るい会」の奮闘
「よくする会」「明るい会」両会は、大阪市廃止=「都構想」を判断するための必要な情報が圧倒的に不足している中で、市民に正確な情報を伝える「住民投票まるわかりパンフ」(140万部)の配布と、連日100カ所での「日刊つくろう未来ビラ」配布などに全力でとりくんでいます。
「まるわかりパンフを知り合いに配りたい」「店に置くから10枚チラシが欲しい」などの声がかかっています。(城東区)また、「税金を使った大阪市のパンフレットは推進派の主張だけで不公平」という男性が街頭で募金(淀川区)などの経験も広がっています。
当初は「圧勝」をもくろんでいた維新の会。その思惑を崩し、「大阪市を廃止するのか、活かすのか」、市民を二分するたたかいに持ち込んでいることは、大阪市民の良識と両会の全力をあげた奮闘、共同する市民諸団体の努力によるものです。
2,論戦の特徴と3つの焦点
(1)「大阪市の廃止か、それとも130年の歴史をもつ大阪市の存続か」
松井大阪市長らは、昨年のダブル選挙まで叫んでいた「大阪市の廃止はウソ」とは、いえなくなっています。私たちは、今回の住民投票は「大阪都にするかどうか」でなく、「大阪市を廃止するかどうか」の選択であることをさらに広げます。
(2)「権限・財源を奪われた中で住民サービス切り捨てか、大阪市の力を生かし拡充か」
維新の「住民投票公報」では、にわかに「住民サービスの充実へ!! 大阪の未来を守る!」と打ち出しました。しかし、それができるのは大阪市を残し、活かしてこそです。何よりも、大阪市を廃止し、「特別区」にしたら、その財源は「府」に吸い上げられ、コストは1300億円(15年)かかるうえ、国の交付税も200億円減らされます。「充実」の財源はでてきません。
(3)「コロナ禍でもなおカジノ、インバウンド頼みを続けるのか、命と福祉、暮らし第一へ転換するのか」
また「公報」では、コロナ禍で頼みの綱の「カジノ」(IR)誘致も破たんし、「大阪の成長を止めるな」のスローガンも消え、「未来」が語れなくなっています。
「今回の協定書はバージョンアップ」ともいいますが、「住民サービス」問題に加え、まともな自治体とはいえない「中之島合同庁舎」案をだすなど、破たんあらわです。
維新は、これをごまかすため、「二重行政の過去に戻すな」とか、「府市一体で成長してきた」「コロナ対策もバーチャル大阪都」など虚構の宣伝をくりひろげています。しかし、旧WTCビルなどは、一重でも二重でも誤った政策であり、逆にコロナ対策をはじめ医療、福祉などは二重にも三重にも必要なものです。一つ一つ真実の情報を市民に届け、ともに打ち破っていきます。
大阪市を残し、大きな財源を市民のために活かしてこそ、「医療・保健所の体制整備」「子ども医療費の窓口負担ゼロ」「20人学級」「介護保険料と国民健康保険料の値下げ」「中小企業支援の予算を倍増」などができることを堂々と打ち出していきます。
3、勝利をつかむ展望 ― 広範な市民の良識と共同にこそ
(1)市民の良識の力が大阪を守る
勝利の展望は、何よりも130年の歴史をもつ「大阪市をなくしてはならない」という大阪市民の熱い思いと良識にあります。維新の会や公明党側の矛盾は広く大きいものです。真実を一つ一つ伝えるなら必ず打ち破れます。そのために幅広い市民との共同と、「よくする会」「明るい会」両会の全構成員の総決起こそが最大のカギを握ります。
「市民100万人対話」を必ず成功させましょう。「まだ決めていない」という市民、「情報不足で悩んでいる」市民、「なんとなく賛成」という市民の方々すべてに働きかけ、「反対」の輪を広げに広げましょう。
(2)好評「まるわかりパンフ」やテレビ討論も注目を!
「まるわかりパンフ」が好評です。真剣に考えてもらうために一人でも多くの方に手渡してください。両会発行の機関紙に加えて、新たに著名7氏の「大阪市をなくすな」コメントと「住民サービスの充実へ!! 大阪の未来をひらく。それは『大阪市』を残し、活かしてこそ」と私たちのプランを描いたビラを作成します。
最終盤、連日のように開かれ、その対比がくっきりするテレビ討論、公開討論を注目してください。お茶の間でも大きな話題にしていきます。
平日は毎日、市内100カ所で新しいビラを配布する「日刊つくろう未来」作戦を最後までやりとげましょう。駅前や路上での対話も積極的に取り組みます。そして、女性層、無党派層への働きかけを意識し、「スーパー前」「商店街」「公園」などの宣伝・対話を重視します。SNSでの発信、住民投票「特設サイト」など「ネット作戦」をさらに広げます。
(3)「明るい会」「よくする会」団体・地域活動者会議の開催
10月26日(月)午前10時から、エルおおさか大ホール(エルシアター)で両会の決起集会を開きます。ラスト1週間の行動提起と住民投票勝利への決意を固めます。
(4)私たちは大阪市を廃止させない!『みおつくし大作戦』
最終盤にあたって、100万人対話運動を軸に反対の世論を広げるため、平日の休暇行動を提起し最大の行動をつくります。
おわりに
大阪の新たな歴史をつくるたたかいに勝利しましょう!大阪を愛する市民のみなさんと、このたたかいを激励・支援していただいているすべてのみなさんともに、大阪市の廃止・分割を阻止し、住民本位の大阪をつくろうではありませんか。「よくする会」「明るい会」のすべての構成員のみなさんの総決起をよびかけるものです。
以上