大阪市なくしたらあかん
住民投票〝問題点知れば反対に〟
大阪市廃止・分割の賛否を問う住民投票(11月1日投開票)で各種世論調査でも反対と賛成が拮抗する中、「大阪市をなくしたらあかん」「政令市大阪の力を生かしてこそ、市民の生活は向上する」と、各地で街頭宣伝・対話・集いが繰り広げられています。賛成の人もよく分からない人も、大阪市廃止・分割構想の問題点を「知れば知るほど反対に」という状況が広がっています。
市も区も小学校も守ろう
生野区 町会長らが練り歩き
生野区連合振興町会有志が18日、大阪市生野区の桃谷商店街と周辺を練り歩き、「大阪市なくしたらあかん」「好きやねん生野区」「小学校は地域の宝」と声を出して宣伝。町会長や役員ら15人が参加しました。
参加者は、「私は都構想に反対です」のゼッケンを身に着け、「大阪市なくしたらあかん」と手書きした模造紙を手にJR桃谷駅前を出発。通行人や商店主らに声を掛けながら歩きました。
途中5カ所で3人の会長がマイクを握りました。
迷っている人も
「反対」に投票を
鶴橋連合振興町会の飯田俊郎会長は、「大事な街をなくしたくありません。多数で通ってしまえば、大阪市も生野区もなくなってしまう。皆さんの力で大阪市を残しましょう」と呼び掛けました。
勝山連合振興町会の川本俊永会長は、「大阪市をなくしたら生野区もなくなります。『都』構想が通ってしまうと、小学校の廃校もどんどん進む。迷っている人も反対と書いてほしい」と語りました。
舎利寺連合振興町会の猪俣康利会長は、「5年前にきっぱりと私たちの審判は下しました。間違った制度が通ってしまうと、二度と大阪市には戻れない。生野区の12の小学校を4つにする暴挙を、圧倒的な『都』構想反対で根絶しよう」と語りました。
住宅地で行われたスポット宣伝では、家の中から出てきた男性が、「5年前は大阪市がよくなると思って賛成したが、今回調べてみると、特別区になると税収が今より下がることが分かった。大阪市をどうするのかという住民投票で、メリットしか言わないのはおかしい。今回は反対」と話していました。
生野区連合振興町会有志らは、大阪市廃止反対を訴えるはがきも独自に4万枚作成し、配布しています。
「分からない」なら反対を
共産党木津川南地区 街角で対話集会
日本共産党木津川南地区委員会は、わたなべ結・府国政対策委員長(衆院大阪3区候補)を先頭に、活動地域の大阪市住吉、住之江、西成、大正各区内の公園やスーパー前で、対話集会「まちかどトークセッション」に取り組んでいます。
18日は住吉区の沢之町公園前で、井上浩市議と共に開催。松井一郎大阪市長が市独自のコロナ対策をまともに行っていない実態や、大阪市廃止・分割の問題点、大阪市を守ってこそ住民サービスが充実できることなど、聴衆の質問に答えながら話しました。
わたなべ、井上両氏の訴えと並行して、公園内では後援会員がシール投票やアンケートで市民と対話。ベンチに座っていた男性(70)は、シール投票の「大阪市廃止」に「賛成・反対・分からない」という選択肢で、最初は「分からない」を選ぼうとしました。15年の住民投票では反対でした。「なんで大阪市をなくすのか分からん。無駄があるなら、すぐなくしたらええ」という理由です。
「腹が立つので今回は投票に行かへん」と話す男性に、「賛成が1票でも多ければ大阪市がなくなります。『分からない』という思いを生かすために、必ず投票に行って『反対』と書いて下さい」と後援会員らが語り掛けました。
公明党の上の人が何と言おうと
「あんた、投票に行って反対せなあかん」と説得に回ったのが、横でやり取りを聞いていた女性(72)。自分は創価学会員だが、「公明党の上の人が何と言おうと、大阪市をなくすことに反対」と語り、「公明党は『都』構想に反対やったのに、なんで今度は賛成するん?」と怒りを込めて問い掛けました。
「賛成しなければ、公明党の現職がいる小選挙区に維新が候補者を立てると脅したから」との説明に、先の男性ともども、「筋の通らんことはあかん」と対話が弾みました。
(大阪民主新報、2020年10月25日号より)