2015年02月01日
35、衆参両院で異なる慣例
コータローの国会レポート35
通常国会が始まりました。衆議院では開会日に政党助成廃止法を提出しメディアも大きく取り上けました。
さて国会議員になって気付いたこと。それは衆議院と参議院には異なった慣例や決まり事かあるということです。例えば各委員会での質問時間の割り振り方。参議院では委員会内の会派人数によって基本的に按分されますが、衆議院は柔軟で与党3、野党7のように配分されることがあります。衆議院の方が少数会派にとって有利な配分になることがあります。
本会議が終了すると参議院は議長が退席するまで議員全員が起立で待ちますが、衆議院は皆そそくさと帰り始めます。天皇の出席する開会式は参議院で行われます。これは天皇を迎える設備が元は貴族院だった参議院にしかないためです。一方「ギチョーーー!」は衆議院だけです。
設備ではどうでしょう。衆参議事堂内の赤絨毯の色も違います。それぞれが新調していくうちに微妙に変わっていったようです。外観は一緒に見える2010年に完成した衆参議員会館も、衆議院は大林組、参議院は鹿島・清水・大成のJVが建設しており、エレベータの仕様が微妙に違うのです。
もちろん最大の違いは解散の有無であり、議決の上でも衆議院に優越があります。一方「良識の府」といわれる参議院は被選挙権が30歳で「大人」の議論が期待されています。特色が異なる両院ですが、政党助成金ほしさに政党の離合集散がくりかえされるのはどちらも同じです。
(辰巳孝太郎 日本共産党参議院議員)
(大阪民主新報、2015年2月1日付より)