2020年12月13日
宮本岳志の東奔西走
軍事転用させてはならない「はやぶさ2」
小惑星探査機「はやぶさ2」が放出した着陸カプセルが6日未明、大気圏に突入し、オーストラリアの砂漠で回収されました。初代「はやぶさ」に続き、「はやぶさ2」も小惑星の物質を地球に持ち帰る快挙を達成しました。しかしこの明るい話題にも、実は大事な問題が横たわっています。
2014年12月に種子島宇宙センターから打ち上げられた「はやぶさ2」は、18年6月に小惑星リュウグウに到着。リュウグウの物質を持ち帰り、着陸カプセルを大気圏に投入し、驚くほどの精度で追跡し回収しました。この日本の技術は素晴らしいものですが、万一軍事に転用されることになれば、まぎれもなく「弾道ミサイル技術」となるでしょう。
私たちは北朝鮮のミサイル発射を国連安保理決議違反として批判しますが、日本がそのような批判を受けないのは憲法9条や非核三原則を掲げてきたからにほかなりません。
私は衆議院文部科学委員会を担当してきました。実はこの間、大学等を軍事技術に応用可能な研究を助成する防衛省の「安全保障技術研究推進制度」などに引き込む動きが繰り返されてきたのです。その後、日本学術会議が反対を決議したことで、この動きは止まりました。
日本政府は核兵器禁止条約に背を向け、学術会議会員任命拒否の背景には、軍事研究に反対する学術会議への政治的圧力が指摘されています。リュウグウから玉手箱を持ち帰った「はやぶさ2」を軍事転用技術などに利用させてはなりません。(みやもと・たけし 衆院近畿比例・大阪5区重複候補 第2週掲載)
(大阪民主新報、2020年12月13日号より)