住民投票の結果に背く
「広域一元化条例」に反対
堺市長は自治権侵害が横行する副首都推進本部会議から撤退を
森田晃一日本共産党堺市議団幹事長
堺市議会12月定例会(12月18日閉会)で、日本共産党から森田晃一幹事長、藤本幸子市議が大綱質疑に立ちました。森田幹事長からの寄稿文を紹介します。
「広域一元化」「総合区」と再び制度いじりを始める
吉村洋文府知事と松井一郎大阪市長は、大阪市の住民投票で大阪市廃止分割が否決された結果を受け、本来なら大阪の改革を望む全ての市民の思いに応えるべきところですが、いわゆる「広域行政一元化条例」「8総合区案」なるもので再び制度いじりをはじめています。
他人事のように振る舞う堺市長
私は、広域案件を議論してきた副首都推進本部会議副本部長でもある永藤英機堺市長に対し、「広域行政一元化条例」に対する認識を尋ねました。
永藤堺市長がこの問題について、他人事のように振る舞ったことに対し、私は松井大阪市長が11月5日の記者会見で、「そこ(副首都推進本部会議)で広域案件をまとめてきている。この会議の形をルールとして定めたい。最終的には知事の決定権のもと、市長と相談しながら知事が決定していく、こういう取り扱いになっています」と発言している事実を突きつけました。
堺市議会を「あいつら」呼ばわりする維新・松井氏
ところが、永藤堺市長は「この記者会見は知りません」と逃れようとしたため、さらに、副首都推進本部会議での松井氏と永藤氏のやり取りを紹介しました。
「住民投票の結果はどうなろうと、やっぱり大阪消防庁というのは必要やと。(中略)堺がそこへ積極的に参加して意思決定をやってもらえる形をつくらないと大阪消防庁できんのでね。(中略)堺がそういう方向性を一回、コンセンサスを役所の中ととってもらわなあかんな。(中略)そら議会ぐちゃぐちゃ言うと思うで。そら言うねん、あいつらは。」と、堺市議会を「あいつら」呼ばわりし、堺市消防行政の方向性について好き勝手に論じ、永藤市長が反論するどころか「検討してみたい」と同調する姿を暴露しました。
もはや連携ではなく言いなりに
これは「連携」ではなく「言いなり」です。私は、「自治権の侵害が横行する副首都推進本部会議から撤退すべき」と主張しました。「広域行政一元化条例」は、堺市議会としても警戒が必要です。
公立幼稚園残せと市民が1万筆以上の署名を提出
9園中5園を廃止する条例案が
堺市教育委員会は、2007年に策定した基本方針で、「条件の整ったところから(公立幼稚園を)順次廃止する」としてきた全廃方針を変更し、今回、公立幼稚園9園中5園を廃止する条例を提案してきました。この方針変更の狙いは、これまで進めてこられなかった全廃方針をあきらめたのではなく、まず5園廃止するものだとの見方もあります。
その動きに対し、元公立幼稚園の園長や保護者を中心にした市民運動が起こり、堺市議会に1万1千筆を超える署名が提出されました。
藤本議員は、配慮を必要とする幼児を受け入れてきたセーフティーネットの役割も果たす公立幼稚園の廃止は許されないと強調しました。
PCR検査などコロナ対策こそ
また、財政再建の提案、無症状者を含めたPCR検査の実施など新型コロナウイルス対策、少人数学級の実施、コロナ禍における困窮大学生、零細・中小企業や伝統産業への独自支援、政府に核兵器禁止条約に参加・批准するよう要望しました。
(大阪民主新報、2020年12月13日号より)