一斉PCR検査実施、病床確保への支援を
石川府議が吉村知事に要求
府議会健康福祉常任委
日本共産党の石川たえ府議は15日の府議会健康福祉常任委員会で、新型コロナウイルス感染のクラスターが多発している医療機関や高齢者福祉施設での一斉PCR検査実施を求めました。吉村洋文知事は検査を発熱などの症状がある人に限り、陽性が判明した場合にだけ入所者や職員の全数検査を行うとする従来の姿勢を崩しませんでした。
知事〝一斉検査は困難〟
感染者の4割が無症状と言われているコロナ感染で、石川府議は「検査を症状のある人に限定している限り、医療機関や福祉施設への持ち込みを止めることはできない」と主張しました。
吉村知事は「高齢者施設の職員は約22万人、利用者は延べ約93万人、主な医療従事者は約16万人おり、全てを一律に検査することは困難」と述べました。
石川府議は、東京都世田谷区や神戸市などで高齢者・障害者施設職員や利用者全員の検査をしていることを示し、自分で唾液を取り郵送するなど簡便な検査手法を多くの自治体が取り入れていることを紹介しました。
厚労省は11月16日に「医療機関・高齢者施設等に勤務するもの、入所者全員を対象に一斉、定期検査を行うように」と通知を出しています。府は「本事業により診療・検査体制に混乱を生じないように」と国に照会し、「対象となる者全てに検査を実施することを想定したものではない」との回答を引き出して、市町村に通知を出しました。
「高齢者への検査拡大の障害ではないか。重症者をどんどん生み出す結果につながりかねない」と石川府議は批判しました。
9日の同委員会で石川府議が無症状者を含む検査実施を求めたことに対して府は、「偽陽性や検査負荷増大のデメリットがある」「国際的にも、無症状者に対して広範な検査を行うことで感染制御に成功したエビデンス(根拠)はない」と答弁しています。
病床確保も緊急課題となっています。医療機関からは財政が逼迫している現状が訴えられています。国の包括支援交付金が府に2150億円支給されていますが、11月末までに医療機関への支給はこのうち約500億円にとどまっています。
石川府議は「すぐにでも残りを医療機関に支給し、病床確保に努めるべきだ」と吉村知事に求めました。
石川府議は、病床逼迫率の低い近隣府県での重症者の受け入れや、自衛隊への搬送の要請も提案しました。吉村知事は「府内での病床確保に努める」と応じました。
(大阪民主新報、2020年12月20日号より)