堺市議会
30人学級・保育料無償化延期の救済
子育て支援の意見書・決議次々
後退狙う維新市政に批判広がる
堺市議会は昨年12月の議会で30人学級の実現を求める意見書を可決しました。永藤英機市長の与党会派である大阪維新を除く全会派が共同提案したものです。同市は、公立幼稚園の廃園や保育料無料化実施の無期延期など、教育・子育て支援策の後退を図りましたが、市民の反撃が始まっています。
市議会全野党が共同提案し
コロナ禍で少人数学級を求める声が全国的に高まった昨年。堺市でも「20人学級を実現する会」が30人学級の実現を求める署名を集め、市議会各会派へ要請しました。
文科省が小学校全学年で35人学級を目指す方針を出す中で、国政与党の自民会派も動き、堺市では市議会全野党が意見書を共同提案し、全会一致で可決されました。
意見書は市内の小学校で35人を超えるクラスが約3割(2~6年生)、中学校では6割を超えていることを指摘。感染症対策上の必要性とともに「すべての子どもたちの学びを保障する指導体制を整備することが喫緊の課題」として、教職員の増配置や学校施設の改修などに必要な財政措置を求めています。
いま、市独自でも30人学級を実現しようと幅広い市民の協働が始まっています。
昨年夏、堺市は、竹山前市長時代から進めていた保育料の段階的無償化を中止すると突然、発表しました。
コロナ口実に無償化を延期
コロナ禍の市財政状況を踏まえた措置とされます。コロナ禍で苦しむ子育て世帯向けに施策拡充する自治体が多い中、逆に「コロナ禍で子育て施策を削るなど聞いたことがない」と、市民から驚きの声が上がりました。
当初の市の計画では、第2子の0~2歳児の保育料が来年度から無償化される予定でした。対象者は約3千人。当事者が中心になって署名運動を繰り広げました。1月余りで約7500人分を集めて市議会に提出。12月議会にはさらに約5千人分を積み上げました。
12月市議会では、対象となるはずだった世帯への救済措置を求める決議を全会一致で上げました。関係する委員会では、無償化に合わせて産休・育休からの復職時期を決めたり、市内へ引っ越すなどし、生活設計が狂わされた当事者の声を、維新以外の全委員が取り上げました。
維新以外の会派が附帯決議
市は昨年4月に、公立幼稚園9園中5園を廃止するためのパブリックコメントを実施しました。「コロナ禍で強行するな」などと市民から怒りの声が上がり、「公立幼稚園の存続と充実を求める市民の会」や公立園の元園長、PTA関係者らが立ち上がって、約1万3400人分の署名を集めました。
市議会は5園廃止に当たり、公立幼稚園の役割を明記し、配慮を必要とする子どもたちへの就学前児童教育の充実を進めるよう市に求める附帯決議を、維新を除く全会派の賛成で可決しました。
(大阪民主新報、2021年1月31日号より)