民青同盟大阪府委員会 園部真拓新委員長に聞く
一緒に声を上げ、政治を変えよう
民主青年同盟大阪府委員会の委員長に新たに就任した園部真拓(そのべ・まひろ)さん(24)に話を聞きました。
学童保育所の指導員として
民青の専従活動家になるまでは、学童保育で指導員の仕事をしていました。子どもたちと関わるのは本当に楽しかったし、やりがいを感じていたのですが、子どもたちが時間に追われているように感じていました。
過密な時間割に、大量の宿題。そして、放課後は習い事に行く子も多く、いつ友だちとの関わりをつくり、子どもらしい時間を過ごすのかと思っていました。競争社会の中で子どもたちがのびのびと遊び、成長することが難しくなっている。指導員として働く中で、その大本にある社会の仕組みそのものがおかしいのではないかと考えていました。
いつ死んでもいいと若者が
コロナ禍で女性と若者の自殺が増えています。社会的に弱い立場にいる人へ政治が目を向けていないことは明らかでした。
1年前、コロナ危機の下で同盟員が困っているかもしれないと、まずつながることを意識し、「こんなときだからこそ青年とつながろう」と励まし合いながら実態調査にも取り組みました。青年の切実な実態と向き合い、「青年の命と生活を守ろう」と取り組み始めた食料支援は、これまでに府内12地域で延べ約2千人を超える学生が利用しています。私も当時、地区委員長を務めていた木津川南地域で、大阪市立大学周辺に住む学生向けに食料支援活動に取り組みました。
「若者が感染を広げている」と、若者を敵視するようなことがニュースなどで言われましたが、「バイトに行けなくなり、モヤシとうどんだけで生活している」「奨学金の返済があり、一日一食で暮らしている」などの切実な声を聴いてきたことが、若者への支援が必要だという雰囲気をつくれたのではないかと思います。
「いつ死んでもいいと思っている」と言う若者が多いのは本当につらい。府内には地方から出てきた若者も多く、コロナ禍で生活の大変さと同時に、大変な孤独を抱えています。
他者とつながった食料支援
食料支援は学生のつながりを広げる場にもなりました。初めは緊張して申し訳なさそうに、「本当にもらっていいのですか」と来る学生たちが、周りに温かい人がいっぱいいることを知り、つながりを広げていく中で、「ボランティア協力します」「今度は後輩も連れてきます」と、学生自身が助け合えるようになっていきました。
多くの同盟員が、「困っている人を放っておけない」と行動に踏み出しました。しかし同時に「共助」で成り立つ支援に矛盾も感じていました。そんな活動に「本来は公助の役割ですよね」と話す青年とも出会いました。
一緒に考えることに拘って
大阪市廃止の住民投票では、こちらが一方的に「教える」「分からせる」ではなく、一緒に考えることにこだわって、市内各地で宣伝しました。初めて宣伝に挑戦した同盟員も多くいます。
これまでは政治の話に「分からない」と言っていた、保育職場で働く同盟員は、自分の職場にも関わるという問題意識から「学びたい」と班会で言い出しました。学習会を開いた後、何かできることはないかと宣伝に挑戦。声を上げれば政治は動くと実感し、「活動が楽しくなった」と語ります。
政治・社会に目向ける若者
いま若者が政治や社会に目を向けていると実感しています。宣伝中に「新自由主義や資本主義に限界を感じる」と語り加盟したり、民青が若者の実態を集めて国会などに要請していることを知ると「自分もしたかった。政治のことを学びたかった」と加盟する若者たちがいます。
昨年は自発的な学費値下げ運動も起き、青年たちが自分自身の困っていることを声に出しながらつながりを広げています。コロナ危機を通して、青年自身が生活の苦しさは自己責任ではなく、社会の問題だと考え始めていると感じています。今こそ科学的社会主義や日本共産党綱領を学ぶ民青が、青年に展望を語りながら仲間を広げることが大事です。
新しい政治をつくる第一歩
2021年は、今のひどい政治を変えることのできる歴史的な総選挙があります。同盟内でもその意義をつかみながら、命と暮らしを守る、国民の権利や民主主義を大事にする新しい政治をつくる第一歩をみんなで踏み出すため、みんなで決めた拡大目標に取り組む決意です。
生きることに希望が見出しづらい今の社会ですが、誰もが安心して「生きたい」と思える社会をつくるために、青年たちと一緒に声を上げて政治を変える1年にしたいと思っています。
(大阪民主新報、2021年2月7日号より)