おおさかナウ

2021年02月13日

新型コロナ 業者・医療・介護の実態は
日本共産党 八尾市議団
影響・課題を聞き取り

 

 新型コロナウイルスの感染拡大が地域経済や医療・介護の分野を直撃する中、日本共産党八尾市議団は、関係する現場を訪ねて実態調査や聞き取り、懇談を重ねています。

時短営業で売上が悪化
龍華交通

コロナの中で厳しさを増す営業実態を聞く辰巳、西田、杉本、谷沢、田中の各氏=4日、八尾市内

 4日は八尾市内の地元タクシー会社「龍華交通」を訪問。杉本春夫団長の他、谷沢千賀子、田中裕子の各市議が参加し、辰巳孝太郎前参院議員・府委員会新型コロナ関連対策本部長、西田さえ子衆院近畿比例候補が同行しました。
 同社ではタクシー37台を保有していますが、担当者は、「コロナ感染拡大の中でも従業員を休業させず営業努力を続けている」と語り、八尾市独自の支援制度を活用し車内消毒機械を導入するなど感染防止の徹底と安全運行に努めてきたと語りました。
 同社では、コロナ禍の中でも昨年末にかけて回復基調にありましたが、大阪での緊急事態宣言の再発令(1月14日)に伴う午後8時以降の外出自粛と時短営業の影響を受け、営業実績は1月に3~4割落ち込んだと説明。とりわけ深夜帯の長距離利用客の激減が深刻だと語りました。
 龍華交通のタクシーは、医療機関への通院や障害者の利用など市民の足となってきました。担当者は、コロナ禍で2週間程度に1度だった通院を1~2カ月ごとに減らす事例が増えていることも報告し、「徹底した感染防止策で地域経済への影響を抑えてほしい」と話しました。
 交通規制緩和も話題に上り、「5千円超分5割引」など大阪特有の料金体系が経営の痛手となっていると指摘しました。辰巳氏は「過度な競争が運転手の労働条件を劣悪にし、業界関係者を追い詰めている。皆さんが安心して営業ができるようコロナ感染防止と実効ある支援策を求めていきたい」と語りました。

病床確保は厳しく限界
八尾徳洲会総合病院

 市内の医療機関や高齢者施設への聞き取り・アンケートは、小松久衆院大阪14区候補と共に実施しました。
 市議団は八尾市内で軽症中等患者を受け入れている市立病院から聞き取りをすでに行ってきましたが、今回は重症者患者を受け入れている民間の八尾徳洲会総合病院関係者に話を聞きました。
 同病院は24時間、心臓手術も可能な救急体制を持ちます。院長はじめ5人の呼吸器内科専門医、ICU(集中治療室)の8床中3床をコロナ患者用に確保、エクモ(人工心肺装置)も4台完備。昨年2月から重症者を受け入れてきました。24床をコロナ専用にするために、1つの病棟(44床)分のベッドを確保し、大阪コロナ重症センターに看護師を派遣しています。
 第1波の緊急事態宣言の時は外来を止めて病院の機能を半減。病院関係者は、八尾市独自の病院への約8千万円の支援金は大変助かったと語るとともに、患者の人工呼吸器が外れたらすぐに患者の受け入れ要請が来るとし、これ以上のベッド確保は大変厳しく、大阪府が病床確保に力を尽くしてほしいと語りました。
 中堅の民間病院とも懇談しました。この病院は、発熱外来も設置し、PCR検査機も導入しています。病院関係者は、コロナ患者の受け入れは個室確保など物理的条件から困難だが、後方支援病院としてなら貢献したいと話しました。受診抑制による患者の病状悪化やうつ状態、アルコール依存などへの懸念も出されました。

深刻な人員不足に
介護施設

 特別養護老人ホームでは、職員が「感染対策のために職員が食事も壁を向いて食べるなど努力しているが、発熱や陽性が出ないかと毎日ドキドキしている」と語りました。12月に同市内の高齢者施設で92人の大規模クラスターが発生しており、社会的PCR検査は急務になっています。
 一方、「PCR検査で万が一、陽性者が出たときの人材確保を考えると、頭が痛い」との声が共通して出されるとともに、「介護職に誇りを持っている。処遇改善を心から望みます」の声も寄せられるなど、介護現場での処遇改善で人員確保が一刻も早く望まれる実態が浮き彫りになりました。
 高齢者安心センター(地域包括センター)では、外出抑制で高齢者の認知症の進行、体力低下などへの心配や、家族関係が困難なケースも多い中で、世帯全体のケアをする人員不足などが指摘されました。
 市議団は、「懇談を通じて、ケアに手厚い社会や家計第一、中小企業を大切にするなど日本共産党の5つの提案の実現こそ必要だと感じました。総選挙での政権交代を実現し、政策の実現の展望を語っていきたい」と話しています。

製造業への影響が心配
藤原電子工業

藤原電子工業を社長の藤原義春さんの案内で視察=5日、八尾市内

 同市議団は5日には、八尾市内で電子部品用プリント基板のプレス加工や産業用ロボット開発を営む藤原電子工業を訪ね、藤原義春社長からコロナ禍の影響や地域経済の現状などを聞きました。
 市議団の他、西田さえ子衆院近畿比例候補、小松久衆院大阪14区候補が参加しました。
 藤原氏は開業してから28年間、国内の製造業全体の生産額の落ち込みが続く中、独自工法による加工や開発など、町工場にしかできないものづくりに力を入れていると強調。「コロナ禍でまず飲食業や観光業が打撃を受けているが、製造業の分野には後から影響が出るのではと心配している」と語りました。

(大阪民主新報、2021年2月14日号より)

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