社会的検査の拡充・きめ細かな支援
コロナ対策 政令市の力で
大阪市議会民生保健委 長岡ゆりこ議員が質問
17日の大阪市議会民生保健委員会で日本共産党の長岡ゆりこ議員が質問に立ち、大阪市が2月1日から始めた高齢者・障害者施設の従事者への定期的なPCR検査の実施状況を踏まえて、検査の拡充とともに、社会福祉施設への支援などを求めました。
PCR検査の社会的検査は市民団体や日本共産党が一貫して求めてきたものです。市は市内の特養ホームはじめ高齢者施設、障害者支援施設など計275施設、約1万9700人の従事者・関係者について、無症状者を対象におおむね2週間に1回、計4回までPCR検査を実施。16日現在で約6割に当たる168施設から申し込みがあり、同日時点で8174件の検査を行った結果、陽性者は出ていません。
長岡氏は、約4割が検査を受けない選択をしている背景には、現場に「無症状者の特定は大事だが、検査で陽性者が出れば、その後の施設運営に支障が出るので、不安が大きい」との悩みがあると指摘。医療従事者や保育士、ヘルパーなどへの社会的検査を求める声も大きくなっているとし、希望者への行政検査の拡充、陽性者への補償が欠かせないと力説しました。
大阪市内で昨年12月からことし1月末までに発生したクラスター(感染者集団)は、高齢者施設で36カ所527人、障害者施設で2カ所26人に上ります。長岡氏は、高槻市がクラスターの発生で機能停止となった社会福祉施設に、無担保の融資などを行っていることを示し、大阪市も独自施策として必要な支援を行うよう求めました。
市は、自宅療養の患者を対象に配食サービスを実施しています。1日3食で7日分を一括で届けるもので、ことし1月18日から配送。2月11日までの実利用者数は約1千人で、自宅療養者の約半数が利用し、1日当たりの最大利用者数は81人(1月20日)です。
長岡氏は、配食サービスは全額国庫補助で、補助の上限は1日当たり4500円なのに、大阪市では1日当たり1500円に過ぎないと述べました。
配食の内容もレトルトの丼やカレー、カップ麺などが目立ち、「病人が食べるには配慮が足りない。元気な方は『別な食べ物を買いに外に出たくなるレベル』といわれる中身だ」と指摘。利用者の感想などをつかみ、国庫補助の枠を利用して改善するよう要望したのに対し、市側は「品目選定について検討する」と答えました。
(大阪民主新報、2021年2月28日号より)