個人の尊厳 守られる社会に
日本共産党府委員会が緊急宣伝
女性蔑視発言に対する国内外からの批判で東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が辞任に追い込まれた問題を受け、日本共産党大阪府委員会は17日、京橋駅前で緊急宣伝に取り組みました。西田さえ子近畿比例候補、辰巳孝太郎前参院議員・党府副委員長、わたなべ結党府ジェンダー平等担当・副委員長がマイクで訴えました。
政策決定する場へ女性の進出を
西田氏は、コロナ禍の中で女子高生や20代、30代の女性の自殺が増えているとされていることに触れ、自身が相談を受けた女性も、非正規で働いていた仕事をコロナで失い、住んでいた寮を追い出され窮状を訴えてきたことを紹介。「生きていくことが大変な中にあった女性が、コロナ禍でさらに大きな影響を受けている。女性を安い労働力として使い捨てる状態を改めていかなければ、女性の地位向上やジェンダー平等を実現できないのではないか」と語りました。
差別発言への批判の声が国内外に響き渡り、森氏が辞任に追い込まれたとし、「会長辞任だけではジェンダー不平等を変えていくことはできない」と指摘。政治の場での女性の進出が世界153カ国中、日本は144位という低さで、日本共産党が女性の国会議員、地方議員を多くするなど、政策の意志決定の場への女性の進出を進めていくため全力を尽くしていることを紹介し、「ジェンダー平等社会の実現へ、これからも全力を尽くす」と語りました。
女性参政権を戦前から求めた党
辰巳氏は、日本共産党が綱領の中に、ジェンダー平等社会を実現すると明記していることや、1922年の党創立時から侵略戦争反対とともに女性参政権を求めて弾圧を受けたことを紹介。自民党が選択的夫婦別姓制度に背を向けていることや、女性の非正規雇用率の高さや男性の長時間労働など、ジェンダー不平等が押し付けられてきた問題を指摘し、「森発言にとどまらず、社会・政治の問題としてとらえて、みんなで一緒に変えていこう」と訴えました。
あらゆる制度と政策を見直して
わたなべ氏は、これまでも国のリーダーの中から女性蔑視、女性差別発言が繰り返されてきたことに触れ、「そういう社会でいいのか。私たちの人権感覚、人権保障の認識がまさに問われているのではないか」と問い掛け。コロナ禍の中でも、明治時代の家制度の名残を引きずった世帯主制度によって、夫からの暴力を逃れて生活している女性に特別給付金が届かなかったことを挙げ、「ジェンダー平等の視点であらゆる制度、政策を見直す必要がある」と強調。「一人一人が個人として大事にされ、自分らしく生きられるジェンダー平等社会を実現するために、私たちの党自身の人権認識も研ぎ澄まして頑張っていきたい」と語りました。
(大阪民主新報、2021年2月28日号より)