大阪市議会本会議
生野区西部の小中学校統廃合条例案を可決
少人数学級の流れに逆行
日本共産党 井上浩議員が反対討論
条例案は田島、生野南両小学校を統合して施設一体型の小中一貫校「田島南小学校」をつくり、林寺、生野、舎利寺、西生野の4小学校と生野中学校を統合して「義務教育学校生野未来学園」をつくるもの。「生野未来学園」は西生野小学校と生野中学校の校地を活用して設置し、林寺、生野、舎利寺の3小学校は廃止されます。
井上氏は第1に、条例案を強行すれば、現在の児童数100人の西生野小学校は600人規模の学校になると指摘しました。コロナ禍で教育現場でも「3密」の回避やソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保、分散の徹底が求められている中、学校統廃合を行うことは、児童・生徒、教職員の集約化につながり、「パンデミック(世界的大流行)への対応策としても時代逆行の暴挙だ」と批判。少人数学級の推進こそ時代の流れだと語りました。
第2に、田島中学校区では再度の説明会を開かないまま工事を強行し、「田島南小学校」という学校名を一方的に決めたことは、「常軌を逸した、関係者を裏切る非常識なやり方だ」と強調。延期されていた説明会が、本会議での採決後の2月25日夜に開かれることは、「議会での採決前では関係者や区民に説明できない代物であることを自ら語るもの。こんな姑息なやり方は、到底理解を得られない」と断じました。
第3に、大阪市では児童数の増加に対応するため、校舎の増築工事を行っている小・中学校が8区14校あり、今年度は3区3校で工事が完了したと指摘。1989年から今日までに統廃合し、現在も教育活動が行われている15校のうち、7校は統合時よりも児童・生徒が増えているとし、「見通しを誤った教育行政の失敗の教訓を踏まえ、生野区での1中学校・8小学校もの前代未聞の大規模な統廃合計画はいったん立ち止まり、子どもたちや地域に寄り添った丁寧な対応に改めるべきだ」と主張しました。
(大阪民主新報、2021年3月7日号より)