おおさかナウ

2021年03月22日

IRのための開発やめて市民の福祉向上を果たせ
堺市議会予算審査特別委 森田議員が総括質疑

 日本共産党の森田晃一市議は、15日の堺市議会予算審査特別委員会で総括質疑に立ち、IRカジノ誘致のための開発、広域一元化条例に反対し、市民の福祉向上を求めました。

大企業を優遇し高齢者支援削減

森田幹事長

 IRカジノ誘致は、新型コロナの影響で大幅なスケジュール変更が示されていますが、堺市はベイエリア開発に2年間で8億2千万円、ベイエリア等への新交通システム調査に2千4百万円もの予算を計上。コロナ禍の中で企業展開しようとする企業は皆無に近く、森田議員は「先のことを見込めないのがIRカジノ誘致。民間企業の判断に委ねざるを得ない事業に財源をさくべきではない」と述べました。
 企業投資促進事業では、クボタと加地テックの固定資産税を計17億7千万円減税した上に、新たな補助金制度で2億円交付。さらに「地域未来投資促進法」に基づき、堺市自身が同2社のために事業計画を策定し、法人税の優遇措置をとります。
 森田市議は、大企業には至れり尽くせりの一方、永藤英機市長が「なるべく市民生活から遠いところから」と強弁し、高齢者生活支援事業の紙おむつ給付事業を見直し、予算削減を行うことを批判しました。

GIGAスクール負担否定せず

 公立小中学校1人1台パソコン(GIGAスクール構想)事業では、リース終了までの5年間で69億円(国庫補助金が9億3719万円)、ランニングコストは毎年度10億円です。
 5年後以降の国庫補助が示されていないことに対し森田議員は、「まさか保護者負担にしないですよね」と確認しましたが、市教委や財政局、永藤市長はまともに答弁しませんでした。

支援施設を中止した理由は破綻

 一方、永藤市長は堺市への児童自立支援施設設置を財政などを理由に中止しています。
 児童自立支援施設は政令指定都市に設置義務があり、市が建設費約35億円で着手していましたが、永藤市長は府への委託を継続。市外の府立施設建設費を市が負担(3億円)する前例のないやり方までしています。
 森田議員は市内建設でも国庫補助や交付金があり、実際の負担は毎年4億7千万円程度だとし、「GIGAスクールに出せるお金があるのだから、建設費用は十分支出できたはず」と永藤市政の財政運営を批判、見直しを求めました。

広域一元化条例に反対を

 森田議員は、大阪府と大阪市で制定が狙われている「広域一元化条例」について質問。条例の規定に基づき会議への出席を求められたら場合、否定しないとした市長に対し、「堺市も範囲とするグランドデザイン大阪が対象となった場合、大阪府と大阪市の限定的な利害に他の市町村が巻き込まれる。堺市の意見の反映はどう担保されるか」とただしました。
 直接的な答弁をしない永藤市長に森田議員は、「毅然とした姿勢で反対の意志を伝えるべきだ」と述べました。
 森田議員は、永藤市長が発出した「堺市財政危機宣言」についても質問。「宣言」の目的が、従来型のインバウンド頼みの大型開発や大企業への減税を聖域にし、堺市独自の市民サービスを大削減するためであることが明らかになりました。
 森田議員は、「自治体本来の目的である住民の福祉向上を実現するために、引き続き頑張りたい」としています。

(大阪民主新報、2021年3月21日号より)

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