2021年03月29日
尊厳蹂躙の「就職支援」やめよ
大阪市議会民生保健委 長岡市議が批判
長岡ゆりこ議員は12日の民生保健委員会で、市の生活保護行政で問題になっている「総合就職サポート事業」について質問しました。
同事業は2011年度から、生活保護利用者の就労支援を民間事業者に委託して実施。市は委託先の事業者に基本委託料に加え、就職支援で生活保護が廃止となった場合は「成果」として「報酬」を出し、逆の場合は「委託料」が減額されるなど「インセンティブ(動機付け)契約」をしています。
長岡氏は、生活保護の就労指導は保護認定後に行うのが生活保護法で決まっていると指摘。ところが、インセンティブ契約があるために、認定前に民間職員が求職活動を強要するなど、「窓口で人としての尊厳を踏みにじられる」と感じる市民がいる実態を示しました。
市側は「総合就職サポート事業の活用は、あくまで本人の同意に基づくもの。事業活用がないことで保護の開始を行わないという取り扱いはない」と答弁。長岡氏は、市として実態を把握し、問題だらけのインセンティブ契約を即刻やめるよう求めました。
長岡氏は、コロナ禍で生活困窮が深刻になる中、生活保護申請をためらったり、窓口の不適切な対応で申請できなかったなどの理由で、餓死や自死を生んではならないと力説。窓口対応を適正化し、申請権の侵害をなくし、申請を阻害する扶養照会をやめるよう求めました。
(大阪民主新報、2021年3月28日号より)