②住民優先の対案
迫るいっせい地方選
大阪と日本変える日本共産党
命と暮らし守るのが自治体
子育て世代の思いを理解——子ども医療費助成
府制度拡充が大きく作用し
府内21市町が来年度中にも、子ども医療費助成制度の対象年齢を引き上げる見通しです。寝屋川市では入院・通院とも高校卒業まで拡大。市町村の助成を支える府制度が、11年ぶりに拡充されることが大きく作用しています。
府制度は現在、通院は2歳まで、入院は就学前まで。1医療機関当たり1回500円(月2回まで)の自己負担(上限月2500円)があり、所得制限も残されています。歴代知事が「本来は国が行うべきもの」と拡充を否定する下で、新婦人府本部や大阪民医連などが毎年、制度拡充を求める請願を府議会に提出。日本共産党も議会論戦で一貫して要求してきました。
13年12月の府議会決算委員会で、日本共産党の宮原たけし団長が全国最低水準の現行制度の改善を迫ったのに対し、松井一郎知事は「検討に値する」と答弁。これが来年度から通院の対象年齢を就学前まで引き上げる拡充につながりました。
住民の運動と結び付き成果
通院で小学3年生までと遅れていた枚方市は11日、ことし12月から対象年齢を中学卒業まで引き上げると発表しました。同市では新婦人枚方支部などでつくる「子どもの医療費助成制度の拡充を目指す枚方連絡会」や日本共産党のおりぐち勲府議候補が、13年から運動を続けてきました。
昨年、2万1500人を超える請願署名を提出、12月議会では同党と民主系、諸派など6議員が請願採択に賛成しましたが、自民・公明・維新系の反対で不採択に。その後も宣伝や請願を重ね、市の方針転換を勝ち取りました。
8歳の娘を育てる連絡会事務局長の田村恵子さんは、「各会派の議員を訪ねましたが、話を聞いてくれたのは共産党だけ。議会で意見陳述できたのも、共産党が請願の紹介議員になってくれたからです。子育て世代の思いを理解してくれる党です」と話します。
18歳まで助成実現に向けて
府は来年度から対象年齢を引き上げる一方で、所得制限を改悪。現在では対象年齢の9割をカバーしているのに、6割程度に低下します。子ども医療費助成制度の予算は38億円で今年度比で約1億円の増で、多くの市町村は新設の「新子育て支援交付金」(約22億円)の一部を制度拡充に充てます。
日本共産党府委員会は先に発表した「府議選アピール」で、「安心して働き、生み育てられる大阪」へ、「医療費・保育料・給食費の3つの改善」を公約。全市町村で「18歳までの医療費助成」に向け、府で「小学校卒業まで助成」を実現するとしています。
府の試算では、現行の所得制限で小学校卒業まで拡充するには72億円、所得制限を撤廃した場合は83億円が必要です。
日本共産党はアピールで、維新府政が進めるカジノなど大型事業の中止や、大企業向け補助金・減税などをやめ、1500億円にも上る財政調整基金を一部活用すれば、財源はつくれるとしています。
閉院時期の延期しかない——住吉市民病院
「医療空白」が現実のものに
橋下徹大阪市長(大阪維新の会代表)が「二重行政だ」として13年に廃止を強行した住吉市民病院(大阪市住之江区)。来年3月末の閉院が迫っていますが、ことし4月から産婦人科が休止し、「医療空白の危機」が現実のものになろうとしていています。
橋下氏が廃止を決定した当時に約束し、議会の付帯決議にもなっている民間病院誘致が2度も失敗。住吉市民病院の小児・周産期医療の機能を「統合」する「府市共同母子医療センター」の建設も遅れています。橋下氏は「空白期間を生む原因は、議会が母子医療センターへの統合関連予算を通さなかったからだ」などと主張してきました。
6日の大阪市議会民生保健委員会で日本共産党の北山良三議員は、母子医療センターの建設の遅れは予算が通らないからではなく、民間病院の誘致に失敗し、病床移譲再編計画が認可される見通しがないことが原因だと指摘。橋下氏はこれを認めながら、「母子医療センターだけ建てるのが、僕のもともとの計画」「民間病院誘致が入っているからややこしい」と、本音を出しました。
最優先すべき一点を説いて
住吉市民病院の舟本仁一院長と面談した北山議員は、同院長が「(病院スタッフの中で)離職希望者が増加しているが、閉院時期を見直し、延期するという市の方針が示されれば、それに従って最善の努力をする」と語っていると紹介。
「いまの時点で最優先して考えるべきことは、患者さんや医療をこれからも必要とする市民に、絶対に迷惑や被害を与えてはならない。このことだ」と説き、「この一点で閉院時期を見直す考えはないか」とただしました。
しかし橋下氏は、「来年3月末閉院」を譲ろうとしませんでした。
「医療空白」への対応について集中審議した12日の委員会でも、北山議員はこう呼び掛けました。
「意見や考え方の違いをいったん横に置き、市民、患者、病院スタッフの思いを受け止めてものごとを考えるべき。一日も早く閉院時期を見直す方向性を打ち出すことが、責任ある態度だ」
(大阪民主新報、2015年3月22日付より)