庁舎私物化・公金の私的流用・虚偽答弁・パワハラ
冨田池田市長は辞職を
池田市議会百条委が調査報告書
反省も謝罪もなく自己中心的
自治体のあるべき姿失われる
百条委調査報告書
市役所へのサウナ持ち込みや職員へのパワハラなどが問題となっていた冨田裕樹池田市長(維新公認で当選、問題発覚後に離党)について、同市百条委員会は12日、市長による市庁舎の私物化や公金等の私的流用、議会での虚偽答弁、職員へのパワハラに関する調査報告書案をまとめました。報告書は、冨田市長に辞職を求め、辞職しなければ「不信任を決議することが相当」と明記。また、証人喚問で虚偽証言をしたとして、地方自治法違反罪で市長を大阪地検に告発することも決めました。
証人喚問で偽証 告発へ
昨年10月22日、冨田市長が市庁舎内にサウナやベッドなどの私物を持ち込んでいると報道され、翌日、市長が記者会見を開いたことなどを受けて、池田市議会では協議を重ね、11月26日、百条委員会を設置しました。
百条委員会では、①不適切な庁舎使用と公金などの私的流用、②本会議と常任委員会での虚偽答弁、③職員に対するパワハラ疑惑の3つについて調査してきました。
市庁舎や職員を私物化した
12日にまとめられた報告書案は47ページに渡り、これら3項目全てにおいて「問題がある」と指摘。「身勝手な職員の扱いや市政運営」を行い、「庁舎や職員をも私物化」し、パワハラでは厚労省が示す定義全てに該当するとして、「市長としての資質に著しく欠ける」と判断しています。
また「全く反省の姿勢や市民への謝罪もなく、あくまで自己中心的」と指摘し、このままでは「職員が市民より市長の顔色をうかがう職員と化してしまうおそれがあり、それは、地方自治法に沿った、住民の福祉と健康の増進のための市政運営では決してなく、地方自治体のあるべき姿が失われることになりかねない」と総括しました。
報告書案は、冨田市長が証人喚問で虚偽の陳述をしたとして、「告発することが相当」としました。
冨田市長は市役所へ家庭用サウナやトレーニング器具、生活用品を持ち込み、寝泊まりしていました。冨田市長は副市長に指示し、マスコミへ情報を流したと疑われた職員を、自らの後援会長の事務所へ呼び出しました。
しかし冨田市長は証人尋問で、このことを「事後に知った」と陳述。職員は「秘密保持契約」を書かされ、後援会長から「(流出させたことを認めなければ)維新の弁護士が来て、おそらく告訴する」などと脅されました。
後援会長に無料の駐車券を
また冨田市長専用の市役所駐車場の無料定期券を、市長の後援会長が自由に使用できる状態にしていましたが、冨田市長は「どこかの引き出しにおいていたように記憶している」と述べていました。
市長が常任委員会などの公務に出席している間も定期券が使用されていることが、入出庫記録で分かりました。使用回数は46回、駐車料金は6万円以上に及び、公職選挙法で禁じられている寄付行為、利益供与に当たる可能性があり、看過できないとしました。
昨年8月には市内で新型コロナのクラスターが発生し、初の死者が出ました。冨田市長は休暇中で、淡路島へ墓参りに帰省していたと報告していましたが、虚偽でした。実際はバイクで九州の離島を旅行していました。
公私混同も甚だしい指示も
調査報告書案では、冨田市長が、自身の意に沿わない職員に対し「民間ではクビ」などと発言し、懲戒解雇や人事異動などを示唆。大声での叱責を行ったほか、異臭のする使用済みの大量のタオルを洗濯するよう命令するなど、公私混同甚だしい指示を与えるなどのパワハラ行為があったことも認定しました。
市民に謝罪し自ら辞職して
市議会は今月末までに臨時議会を開く予定。調査報告に基づき不信任決議案が出されると、3分の2以上の議員出席で、賛成が4分の3以上あった場合に可決。10日以内に市長が議会を解散するか、自動失職になります。
池田市内では、百条委員会の開催日などを中心に市民が宣伝。冨田市長に対して、市民に謝罪し自ら辞職するよう求めるとともに、市議会は団結をと励ましていました。
百条委攻撃した維新・足立衆院議員
維新の足立康史衆院議員は2月の衆院総務委員会に続き6日の同委員会でも、池田市の百条委員会から維新会派が排除されていると攻撃しました。
担当局長が「議会の判断」と答弁すると、足立議員は「司法に訴える」と声を上げました。
冨田市長は足立議員の元公設第一秘書です。
冨田市長のパワハラを告発した市職員は、証人喚問の2日前に足立議員から着信があったことを、百条委員会で証言。「本当に恐怖を感じた」と訴えています。
池田市では2014年に維新府議が、閉鎖されたウェブサイトの管理費を政務活動費から兄の業者に支払っていたことが発覚。16年には、維新市議が経営する整骨院の療養費虚偽請求が発覚し、離党後に逮捕されています。
(大阪民主新報、2021年4月18日号より)