「第4波」封じ込めへ検査拡大を
オンライン番組「結チャンネル」辰巳氏が強調
大阪府内で新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多の1220人確認された18日夜、日本共産党衆院大阪3区国政対策委員長・わたなべ結さんのオンライン番組「結チャンネル」がライブ配信され、辰巳孝太郎前参院議員・党府新型コロナ対策本部長がリモート出演。重症病床が逼迫する医療現場の実態や、大阪府・市のコロナ対策の現状、課題について語り、新型コロナ「第4波」封じ込めへ、PCR検査拡大と、医療の大幅強化を訴えました。
感染拡大に歯止めがかからない
府発表などによると、1日当たりの新規感染者が1千人を超えたのは6日連続で、先週の日曜日(827人)より393人増。20日連続で東京都を上回り全国最多です。重症患者は前日比5人増の286人で、重症病床使用率も過去最多の98%。数十人の重症者が軽症・中等症用病床で治療を受けており、実質的には100%を超える緊急事態となっています。
政府専門家分科会が示す5指標のうち、「重症病床使用率」「感染経路不明者の割合」など4つの指標が最も深刻な「ステージ4(感染爆発)」に達し、感染拡大に歯止めがかからない事態となっています。
「医療崩壊」が大阪で進んでいる
「発熱外来で感染者が見つかれば、入院先はすぐには見つからない」「発熱外来の自己責任が問われる事態となれば、このまま発熱外来を続けていけるのか」――オンライン番組の冒頭、辰巳氏は、新型コロナ感染症に対応する民間病院医師の声を紹介。さらに大阪市内の2医療機関がコロナ対応のため重篤患者の搬送を受け入れる「第3次救急」を停止したことや、変異株への感染が全体の9割を占め、若い世代に感染が広がる特徴を述べ、「重症病床は全く足りず、医療崩壊といえる事態が大阪で進んでいる」と指摘しました。
ワクチン頼みで戦略打ち出せず
大阪府と大阪市のコロナ対応について辰巳氏は、「検査拡大に極めて消極的」と指摘。吉村洋文知事が、無症状者を検査する封じ込め戦略を「完全に破綻」などと攻撃したり、「緊急事態宣言で感染を減らしすぎた結果、変異株が急拡大した」など医学的根拠のない暴論を持ち出したと指摘。ワクチン頼みで効果的な感染封じ込め戦略を打ち出さない大阪市の対応と合わせ、「知事や市長の『甘い』見込みと後手後手の対策が、現在の深刻な事態を招いた」と批判しました。
辰巳氏は、3度目の緊急事態宣言発令への動きを巡り、「休業要請の負担は重く、私権の制約を伴う緊急事態宣言を繰り返す結果を招いた政府の責任は重い」と指摘。党府委員会が感染封じ込めのための具体的提案を行ってきたことを紹介し、「最大の問題は、大阪でのPCR検査がまだまだ少なすぎることです。ワクチン頼みの国のコロナ対応と検査を増やさない大阪のやり方は、命を軽視するものだと言わざるを得ない」と強調。「第4波」封じ込めのための新・署名への協力を呼び掛けるとともに、世論と運動を広げ、PCR検査体制の抜本拡充、事業者への十分な補償と医療機関への減収補てん、保健所体制の強化などへ取り組みを強めたいと語りました。
(大阪民主新報、2021年4月25日号より)