おおさかナウ

2021年05月17日

国民監視狙うデジタル関連法案
大門参院議員が問題点を指摘
大阪革新懇が学習会開く

 進歩と革新をめざす大阪の会(大阪革新懇)が4月23日、大阪市北区内でデジタル関連法案についての学習会を開き、オンライン視聴も含め62人が参加しました。

 同法案の問題点についてZoomで講演した日本共産党の大門実紀史参院議員はまず、現実世界のものごと(アナログ)をコンピューターで扱えるデジタルに変換すれば、インターネットを介して膨大なデータの高速処理と管理、通信、情報の検索、映像・動画の送信などができると指摘。キャッシュレス決済やオンライン購入・販売、SNSなどの交流が発展する一方、個人が行政や企業からサービスを受ける際に個人情報を提供することになると述べました。

企業があらゆる個人情報を活用

 菅政権の「デジタル戦略」は、個人情報を集約・蓄積して「経済活動」に活用することにあると説明。その司令塔としてデジタル庁を設置し、国と自治体のシステムの統一・標準化、オンライン診療やオンライン教育など各分野のデジタル化を進め、それらの情報をマイナンバーカードにひも付けることにあると語りました。
 菅政権の狙いは、デジタル化によって国家が国民監視社会を実現して権力を維持することだと強調。日本経団連の戦略にも触れながら、企業があらゆる個人情報をデジタル化し、そのデータを企業が活用することで国民の消費・投資動向を掌握・誘導することにあると説明しました。

デジタル民主主義対抗軸にして

大阪革新懇が開いたデジタル関連法問題の学習会=4月23日、大阪市北区内

 大門氏は「国民監視から人権を守る対抗軸が必要」と強調し、ヨーロッパでは個人情報を匿名化しながらデジタル化を利用していることを紹介。ハーバード大学のブルース・シュナイダー博士が「プライバシーを奪われることは人間としての尊厳を奪われることである」との言葉を示し、プライバシー権は憲法に定められた権利として自覚必要があると力説しました。
 サービスを受けるために個人情報を提供しなければならないとすれば、そのデータは自分のものであり、自分で管理するという「デジタル民主主義」を対抗軸とし、菅政権の狙いを広く伝え、デジタル関連法案を阻止して一元管理の流れを食い止めると同時に、来るべき総選挙で菅政権そのものを倒すことが必要だと語りました。
 学習会では阪南大学の桜田照雄教授が特別報告。大阪湾の埋め立て地・夢洲(ゆめしま)開発ではカジノ誘致と同時に、「最先端技術の活用」などを掲げたデジタル化の導入・推進が狙われていることを明らかにしました。

 

(大阪民主新報、2021年5月16日号より)

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