おおさかナウ

2021年06月12日

宮本岳志の東奔西走
松井市長の発言こそ法律違反

宮本たけし氏

 大阪市長会見での「オンライン授業」発言が学校現場を大混乱させ、淀川区にある小学校の校長が勇気をもって松井一郎市長に「提言」を提出したのに対し、市長は「ルール違反。辞めてもらわな」などと処分の可能性をほのめかした上で、「覆そうと言うのなら、自ら公約掲げて市長にならないと変えれませんよ」とまで語りました。
 この市長発言こそ法律違反です。地方教育行政法(「地教行法」)は「自ら公約掲げて」当選した市長に、教育行政を覆す権限など与えておりません。
 第二次安倍政権は2014年の通常国会に「地教行法」改悪案を提出。衆議院では私が論戦に当たりました。
 安倍前首相や下村文科大臣らは、大阪の橋下徹氏や松井氏らと示し合わせて、あわよくば教育委員会を廃止して首長が権限を奪い、首長による教育行政への政治介入に道を開こうとしたのです。背景には、侵略戦争の歴史を偽る教科書を教育現場に押し付けたり、いっそうの競争教育を持ち込む狙いがありました。
 しかし改悪は許さず教育委員会は残りました。教育委員長は廃止され「新教育長」に一本化されましたが、下村大臣も私の追及に、教育行政の最終決定者は「新教育長」ではなく「合議制の教育委員会だ」と認めました。また、「新教育長」に対して首長が職務命令を出せるかとの私の問いに、当時の前川喜平初等中等教育局長は「出せない」と明確に答弁。地教行法にてらしても、校長の処分など断じて許されません。(みやもと・たけし 衆院近畿比例・大阪5区重複候補 第2週掲載)

(大阪民主新報、2021年6月13日号より)

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