維新への1票は自公政権延命への1票
市民と野党の共闘で政権交代の実現を
菅義偉首相が3日、自民党総裁選への不出馬を表明、政権投げ出しで安倍・菅と続いた自公政権と国民との矛盾がいよいよ鮮明になっています。
維新の会代表の松井一郎大阪市長は、菅氏らと毎年のように会食を重ねるなど、維新は菅政権を後ろ盾にし、「蜜月」関係を築いてきました。
菅氏の退陣表明にも、「実行力のあるすごい政治家」(吉村洋文大阪維新代表・府知事)、「中央政府として大きな協力を頂けた」(松井氏)など、菅氏を持ち上げました。
維新の馬場伸幸幹事長は、菅氏の退陣表明に先立つ8月22日放映のテレビ番組で、衆院選後の自公政権との関係について、「部分連合」の可能性を問われ「ゼロではない」としました。
これでは自公政権批判層の受け皿となれないとみたのか松井氏は、与党入りは「絶対にない」と強く否定。国会議員団が政権参加に動いた場合は「(維新の会の)解散手続きやります」とまで述べました。
松井氏の政権参加打消し発言後も馬場氏は、松井氏と基本的立場は同じだとして、維新がやりたいと思うことができるという担保があればという前提を置きつつ、自公が過半数割れして法案が通らなくなった場合などは「協力することは想定できる」と記者団に言明。松井氏も、国民的議論になった安保法制にも賛成したなど、是々非々で自公政権に協力してきたとし、「これまでも、これからも同じ」とのスタンスを表明。菅政権への協力姿勢をにじませていました。
そこへ菅首相の退陣表明。新首相の下での維新の役割を問われた吉村氏は「自民党をピリッとさせていくような野党の存在が必要。それが今はない。それを維新が担うべきだと思っています」。松井氏は、衆院選での維新のスタンスについて「持続可能な国をつくるために、自民党がやっぱり少しは改革をしなければならないという、そういうピリッとしてもらえるように、そういう形で政党として影響力を持ちたい」。維新にとっては、衆院選挙後も自公政権が存続することが前提で、「協力」の仕方を見据えているようです。
「是々非々」「担保」など言いますが、維新の政府提出法案(今年1~6月通常国会)への賛成率は90・3%。維新への1票は、自公政権延命への1票です。今、求められているのは、国民の命を何よりも大事にする政治、そのために市民と野党の共同による政権交代の実現です。(Y)
(大阪民主新報、2021年9月19日号より)