日本共産党府委員会が
「ジェンダーパンフ」発行
#私が私らしく生きるために
日本共産党府委員会が、同党府ジェンダー平等委員会の見解をまとめたパンフレット「#私が私らしく生きるために」(JCP大阪・第379号)を発行しました。その主な内容を紹介します。
ネットアンケートのQRコード
パンフレットの大きさは、文庫本とほぼ同じのA6判で16ページ。「ジェンダー」について、「『女らしさ、男らしさ』『女性はこうあるべき、男性はこうあるべき』といわれる社会的・文化的につくられた性差。私たちの行動のあり方、価値判断、役割分担などを無意識のうちに左右し、多様で自由な生き方を縛るもの」と解説しています。
2ページ目には「コロナ自粛で家事の負担が増えた」など、日常の中での心の声を取り上げ、その声をぜひ聞かせて欲しいと、インターネットアンケートのQRコードも掲載。3ページ目ではそうした声がジェンダー差別から来ているのではないかと問い掛け、日本がいかにジェンダー平等後進国で、改善が強く求められているとしています。
4ページから11ページでは、「服装義務付け」「選択的夫婦別姓」「働き方」「ハラスメント」「性暴力」「LGBTQ(性的少数者)、SOGI(ソジ、性的志向・性自認という性のあり方の指標)」「リプロ(リプロダクティブヘルス&ライツの略、性と生殖に関わる健康と権利)」について現状と日本共産党の提案・活動を紹介。世界で最もジェンダー平等が進んだ国として知られるアイスランドの取り組みも収録しています。
12ページでは当事者の声と運動が政治を動かし、社会を変える大きな力を発揮していることを紹介し、「政権交代こそジェンダー平等社会に進む一番の近道」と強調。13ページでは、ジェンダー差別を生む日本の2つの構造①ジェンダー差別を利用し、利潤追求にひた走る財界・大企業②明治時代に強化され、押し付けられてきた男尊女卑の国家体制――を指摘。14、15ページでは党の綱領に「ジェンダー平等社会をつくる」と明記したことや、多様な声を反映するため、女性議員を増やすことにも積極的なことを伝えています。
共に考え、新しい社会を開く
共産党の積極的な姿伝えたい
共産党府ジェンダー平等委員会責任者 わたなべ結さん(衆院大阪3区候補)に聞く
パンフレットの意義や活用について、日本共産党府副委員長で、ジェンダー平等委員会責任者の、わたなべ結さん(衆院大阪3区候補)に聞きました。
コロナ危機を経験する中で
――新しいパンフレットができましたね。
わたなべ ジェンダー平等委員会では、コロナ危機を経験する中、次の社会のあり方を若い皆さんや、これまでつながりのなかった方々とも一緒に考え、開拓していきたいと話し合いました。
日本共産党は第3回中央委員会総会(3中総、8日)の決定で、総選挙の意義を①命を守る選挙にする②コロナ危機の体験を踏まえ、新しい日本をつくる③党の歴史で初めて政権交代、新しい政権の実現に挑戦する――とし、「新しい日本」について4つの大争点を打ち出しました。その一つがジェンダー平等を実現する日本で、コロナ後の新しい社会の指針となるものです。
可視化された実態を共有し
――パンフレットの作成に込めた思いは。
わたなべ まず、コロナ禍が日本のジェンダーギャップを浮き彫りにし、生きづらい実態を変えたいという思いです。これは多くの人々の強い願いになっているのではないでしょうか。
いま、女性労働者の56%が不安定な非正規雇用で、コロナ禍で真っ先に職を失い、困窮に追い詰められています。ことし1月から3月、全国的に失業率が上がっていますが、大阪は男女共に全国平均より高く、特に女性は0・9ポイント増と全国平均より0・5ポイント高くなっています。
自粛で「ステイホーム」が強いられる中、DV(ドメスティックバイオレンス)被害も増加しています。2020年の女性の自殺者数は7025人で前年から934人も増えていることに、私も大変ショックを受けましたが、ここにも女性の深刻な実態が表れています。
1人10万円の給付金は世帯主口座への振り込みで、支援が必要な多くの女性に届かないことも問題になりました。経済的理由で若者の5人に1人が生理用品を買えないという「生理の貧困」も報じられています。
コロナ禍で可視化されたさまざまなジェンダー不平等の実態を、まずみんなで共有しようと話し合いました。これらの問題は人権侵害であり、解決する責任を政治が果たさなければならない課題であることを伝えたいと考えました。
当事者と連帯 政治を変える
――深刻な実態と共に、ジェンダー平等を求める運動と連帯が広がっていることも、紹介されていますね。
わたなべ 五輪組織委員会の森前会長が、女性蔑視発言で瞬く間に広がった批判を受けて辞任に追い込まれるなど、「もう黙らない」と当事者が声を上げ、実際に政治を動かす力を発揮しています。
性暴力の問題では、「同意のない」性交=強制性交であっても、被害者が抵抗できないほどの「暴行・脅迫」などがあったと認められなければ、犯罪にならないのが現行の刑法。性暴力をなくすことを目指すフラワーデモが全国に広がる中、上川陽子法相は10日、被害者を守る立場で法改正について法制審議会に諮問すると発表しました。日本共産党はフラワーデモに参加し、国会や地方議会で取り上げてきましたが、引き続き連帯していきます。
総選挙に向け、ジェンダー平等を目指す取り組みでも「私も、あなたと共に」という姿勢を貫きます。2ページ目のネットアンケートも多くの人々の声を聞きながら、一緒に変えていこうと取り組んでいます。
自公や維新と違いは鮮明に
――どう活用していきますか。
わたなべ 日本共産党は総選挙で比例代表選挙を「主舞台」に、近畿ブロックで現有2議席から4議席への倍増を必ず勝ち取るため、「比例は共産党」と全力を挙げています。
先日、堺市議会で維新市議がわが党のジェンダー平等のポスターを示し、「ジェンダー平等は共産党のスローガンになっている。共産主義的発想だ」と攻撃しました。
自公政権のままではジェンダー平等が進まないのはもちろん、歴史的・世界的な人類のたたかいと進歩に逆行し、人権保障の発展の到達点が見えず、偏狭な批判に終始する維新が伸びても、新しい日本は生まれません。これに対し、市民連合と野党が合意した共通政策の柱の一つにジェンダー平等が盛り込まれました。自公とその補完勢力である維新との違いは鮮明です。
共産党躍進で本気の政府を
さらにパンフレットでも明らかにしたジェンダー差別を生む日本の2つの構造を大本から変えるのが日本共産党。この党が躍進してこそ、ジェンダー平等を本気で進める政府になる、だからこそ「比例は共産党」と語り広げるために活用してほしいです。
現役世代の皆さんが参加する学習会でパンフレットを紹介すると、「みんなで学びたい」「これで共産党を広げたい」など、積極的な声が寄せられています。
ある新婦人内日本共産党後援会が開いたジェンダーの集いでパンフレットを使って報告すると、「日本にセクハラ救済の制度がないなんて、初めて知った」などと話が弾み、会場のカフェを貸してくれた方も「お客さんに渡して感想を聞いてみたい」と言ってくれました。パンフレットは「比例は共産党」と訴える「担い手」を増やす力にもなります。
これまでつながりのなかった方々や、無党派の人々にパンフレットを届けて対話し、新しいジェンダー平等社会を目指す日本共産党の積極的な姿を伝え、ぜひとも「共産党、ええやん」と感じてもらえるようにしたいと思います。
(大阪民主新報、2021年9月19日号より)